Oracle Fusion Cloud ERP の全体像
製品群と EPM Cloud の関係
Section titled “製品群と EPM Cloud の関係”Oracle の製品紹介では、Fusion Cloud Applications は ERP・HCM・CX などの柱で紹介され、サプライチェーン(Supply Chain and Manufacturing)は ERP の柱の中に含まれています。一方、公式ドキュメントや認定試験では SCM は独立した製品群として扱われます。いずれも統一されたデータモデルの上に構築されている点が特徴です。
| 製品群 | 主な領域 | このサイトでの扱い |
|---|---|---|
| ERP | 財務(GL・AP・AR・FA・CM・税)、調達、プロジェクト管理(PPM)、リスク管理 | 業務モジュール:ERP財務・調達 |
| SCM | 在庫、受注、製造、原価、計画、PLM、保守、輸送・倉庫 | 業務モジュール:SCM |
| HCM | 人事、タレント、給与 | 扱わない(組織・セキュリティで一部登場) |
| CX | 営業(Sales)、サービス、マーケティング | 扱わない |
| EPM(EPM Cloud) | Planning、連結(FCC)、勘定照合(ARCS)、Narrative Reporting、EDM、PCM | 業務モジュール:EPM(別製品として説明) |
EPM は Oracle の製品紹介では財務機能の一部として並びます。しかし実装上は Fusion ERP とは別の製品です。
- 環境(URL・ユーザー・ロール)が ERP とは別に用意されます
- 更新は四半期ではなく月次です。公式ドキュメントでは、月次更新はテスト環境に第 1 金曜、本番環境に第 3 金曜に適用されると説明されています
- ERP との間はデータ連携(Data Integration・EPM Automate など)でつなぎます。詳しくは EPM Cloud の全体像と Fusion ERP との関係 を参照してください
Fusion 共通の仕組み
Section titled “Fusion 共通の仕組み”どの業務モジュールを担当しても、次の共通の仕組みを使います。最初に名前と役割を押さえてください。
| 仕組み | 役割 | 詳しく学ぶページ |
|---|---|---|
| Setup and Maintenance 作業領域(機能設定マネージャ) | オファリングの有効化、設定タスクの実行、設定データの移行 | 機能設定マネージャ(FSM) |
| Security Console | ユーザーとロールの管理(ロールベースアクセス制御) | セキュリティの基本 |
| スケジュール済プロセス(Scheduled Processes) | ESS(Enterprise Scheduler Service)ジョブの投入と監視。取込・締め・帳票などのバッチ処理 | ESS の基本と運用 |
| BI(OTBI・BI Publisher・BICC) | リアルタイム分析、帳票、データ抽出 | レポーティングツールの全体像 |
| Redwood | 新しいユーザー体験(UX)と、それを拡張する Visual Builder Studio | Redwood UX と AI・自動化機能 |
このほか、承認ワークフロー(承認ワークフロー)、フレックスフィールドや参照タイプ(フレックスフィールド、参照タイプ・プロファイル)も全モジュール共通の部品です。
SaaS の前提:変えられないものと拡張の仕方
Section titled “SaaS の前提:変えられないものと拡張の仕方”オンプレミスの ERP(EBS など)との一番の違いは、Oracle が管理するコードとデータベースに手を入れられないことです。
- ソースコード・画面・データベースのオブジェクトは改変できません。データベースへの直接接続もできません
- データの読み取りは、BI Publisher の SQL データモデルや BICC の抽出など、用意された手段で行います
- データの登録・更新は、画面のほか REST API・SOAP Web サービス・FBDI(ファイルによる一括取込)などの公開インターフェースで行います
- 要件は「設定(構成)→ パーソナライズ → 拡張 → PaaS」の順に、軽い手段から検討します
拡張手段の選び方は 拡張の全体像 と 標準機能とアドオンの考え方 で詳しく説明します。
環境(本番・テスト)
Section titled “環境(本番・テスト)”Fusion の環境は「環境ファミリー」という単位で管理され、Oracle Cloud Console から操作します。
| 環境の種類 | 用途 | 契約上の扱い |
|---|---|---|
| 本番(Production) | 日々の業務 | 環境ファミリーに 1 つ |
| テスト(Test) | 結合テスト・移行テスト・受入テスト、アップデートの事前検証 | 本番ごとに 1 つ含まれる。本番稼働前に用意が必要 |
| 開発/追加テスト環境(Development/ATE) | 拡張・連携の開発、単体テスト、教育 | 別途購入 |
言語は英語が既定で、提供時に追加言語(言語パック)を選びます。日本語を使う場合は言語パックが必要です。追加した言語パックは削除できません。環境の運用(リフレッシュ・テスト・移行)は 環境管理・四半期アップデート・テスト で扱います。
四半期アップデート
Section titled “四半期アップデート”Fusion Cloud Applications は年 4 回更新されます。
- 名称:西暦の下 2 桁+A〜D。2026 年は 26A → 26B → 26C → 26D の順です
- サイクル(コホート):環境ごとに、2・5・8・11 月、3・6・9・12 月、4・7・10・1 月のいずれかのサイクルで更新されます
- 適用順:テスト環境が更新月の第 1 金曜、本番環境が 2 週間後の第 3 金曜です(中東リージョンは各金曜の前の木曜)
- 必須:四半期アップデートはスキップも延期もできません。これとは別に、月次の更新や緊急の例外更新もあります
- 変更の種類:不具合修正や軽微な変更は有効な状態で届きます。利用者に影響が大きい新機能は無効な状態で届き、オプトイン(利用を選んで有効化)します。オプトインには期限があるものがあり、期限後は自動で有効になります
変更点は Oracle Cloud Readiness で確認します。主な資料は次のとおりです。
| 資料 | 内容 |
|---|---|
| What’s New | リリースで追加・変更される機能の説明。更新の前に公開される |
| Feature Summary | 各機能が既定で有効か、利用者の操作(オプトイン)が必要か |
| Opt In Expiration | 無効で提供された機能が、いつ既定で有効になるか |
設定・実装の手順
Section titled “設定・実装の手順”案件に参加した最初の週に、次の順で全体像をつかむと効率的です。
- Oracle Help Center で担当製品のドキュメント・トップ(例:Financials)をブックマークします。実装(Implement)・使用(Use)・API などの入口がまとまっています
- Oracle Cloud Readiness で、自社環境のリリース(例:26C)と次のリリースの What’s New を確認します
- 環境の一覧(本番・テスト・開発)と、自社のアップデートのサイクル(どの月に更新されるか)をプロジェクト計画に書き込みます
- ナビゲータ > My Enterprise > Offerings で、どのオファリング(例:Financials、Procurement)が有効になっているかを確認します
- ナビゲータ > Tools > Scheduled Processes と Security Console の場所と権限を確認します(権限がなければ申請します)
- このサイトの 共通基盤 を読んでから、担当モジュールのページへ進みます
落とし穴とベストプラクティス
Section titled “落とし穴とベストプラクティス”- アップデートの日程(テスト環境・本番環境の適用日)を最初にプロジェクト計画へ組み込みます
- 要件はまず標準機能で実現できないかを検討し(Fit to Standard)、拡張は公開されている手段に限ります
- 公式ドキュメントはリリースごとに版があります。設計書に引用するときは、リリース(例:26C)を併記します
- 不具合や仕様の確認は、My Oracle Support の既知の不具合(Known Issues)を先に検索してから SR を起票します
試験対策ポイント
Section titled “試験対策ポイント”- 実装プロフェッショナル試験(GL・AP・AR・調達・在庫・受注 など)では、モジュール固有の設定の前提として、オファリング・設定タスク・エンタープライズ構造などの共通概念が使われます
- Redwood 模擬テスト と AI Agent Studio 模擬テスト では、Redwood ページの拡張や AI 機能の位置づけを理解していることが前提になります
- 覚えるべき用語:オファリング(Offering)、機能領域(Functional Area)、フィーチャー(Feature)とオプトイン、四半期アップデート(26A〜26D)、Readiness、サンドボックス、環境ファミリー
- 各試験の形式と学習順は 認定試験ガイド を参照してください
公式ドキュメント
Section titled “公式ドキュメント”- Oracle Help Center
- Oracle Cloud Readiness(全製品)
- Oracle Cloud Readiness(ERP の What’s New)
- Find Guides, Readiness Material, and Other Resources
- Planning an Environment(環境の種類・言語パック)
- Understanding Cloud EPM Change Management Process(EPM の月次更新)
- Quarterly updates made easy(Oracle 公式ブログ)
- Oracle Fusion Cloud Applications(製品紹介)
- Oracle Cloud Customer Connect
- My Oracle Support
このサイトは次の順に読むと体系的に学べます。
- はじめに:サイトの使い方と学習ロードマップ、認定試験ガイド
- 共通基盤:エンタープライズ構造 → FSM → フレックスフィールド → 参照タイプ・プロファイル → セキュリティ → 承認 → Redwood と AI → 環境管理
- 業務モジュール:GL、AP、AR、調達、在庫、受注、EPM など
- モジュール間連携:モジュール間連携マップ
- 技術:データモデルと SQL、データ移行、連携・API、Oracle Integration、レポート、拡張開発、AI Agent Studio
- 実践と確認:ハンズオン演習、模擬テスト、用語集、公式ドキュメント・学習リソース集
本サイトは学習目的で個人が作成した非公式の教材であり、Oracle Corporation およびその関連会社とは関係ありません。内容の正確性は保証しません。最新の仕様・試験範囲は必ず公式ドキュメントと Oracle University の情報で確認してください。
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