プロジェクト構成(プロジェクト・タスク・テンプレート・組織)
財務プロジェクトは、定義(組織・顧客・日付・タイプ)、タスク構造、チーム、取引制御、財務計画(予算・予測)で構成されます。実装ガイドでは、Project Foundation が複数の機能で共有される土台で、組織の設定(Project Organizations)が最初の機能領域です。
| 要素 | 役割 | 設定の入口 |
|---|---|---|
| プロジェクト・ユニット | 非財務面(定義・スケジュール・レポート)のルールと参照データ | Manage Project Units |
| BU(Project Accounting 機能) | 財務取引の単位。元帳に紐づく | Configure Project Accounting Business Function |
| 所有組織・経費組織 | プロジェクトを所有する部署/原価を発生させる部署 | Manage Project Organization Classifications |
| プロジェクト・タイプ | プロジェクトの種類(契約・資本・間接など)と、バーデン・資産化の既定 | Foundation の Project Types |
| プロジェクト・テンプレート | 共通の属性・タスク・チーム・制御をひな形にする | Manage Project Templates |
使用する組織と参照データ・セット
Section titled “使用する組織と参照データ・セット”| 組織 | 役割 | 参照データ・セットで決まるもの |
|---|---|---|
| プロジェクト・ユニット | 事業部門や事業ラインに相当する単位。少なくとも 1 つ必要 | プロジェクト定義(分類コード、財務計画タイプ、プロジェクト計画タイプ)、プロジェクト取引タイプ(経費タイプ、作業タイプ) |
| BU(Project Accounting 機能) | 財務取引の管理単位 | プロジェクト・タイプ(Project Accounting Definition)、レート・スケジュール(Project Rates) |
| プロジェクト所有組織(Project Task Owning Organization) | プロジェクトとタスクを所有。報告・セキュリティ・会計に使う | 「間接」「資産化」「請求」のプロジェクトを所有してよいかを属性で設定 |
| 経費組織(Project Expenditure Organization) | 経費を発生させ、計画の資源にもなる | なし |
- プロジェクト・ユニットと BU は多対多です。BU がどのユニットにも関連付けられていなければ、すべてのユニットで有効になります。関連付けは、その組合せがプロジェクトやテンプレートで使われていなければ変更できます
- 参照データ・セットの割当は Manage Project Unit Set Assignments で行います。例として、経費タイプ Labor は全ユニット共通のセットに、Airfare と Hotel はコンサルティング部門のセットだけに割り当てます
- 組織階層は、HCM で使っているものと同じ種類を使います。階層を使わずに導入することもできますが、制約があります(Considerations for Implementing Project Financial Management Without an Organization Hierarchy)
組織の設定手順
Section titled “組織の設定手順”- 組織階層の種類を選びます(Manage Organization Hierarchies and Classifications)
- 組織階層(ツリー)を作り、バージョンのアクティブ化、オンライン監査、行のフラット化を行います(Manage Organization Trees)
- 組織の分類を設定します(Manage Project Organization Classifications)
- BU の組織階層を指定します(Configure Project Accounting Business Function)
- プロジェクト・ユニットの組織を作り(Manage Project Unit Organizations)、設定します(Manage Project Units)
- BU とプロジェクト・ユニットを関連付けます(同じタスクの Advanced タブ)
- Maintain Project Organizations を実行します
組織を HCM Data Loader で一括登録する方法もあります(Organization.dat などのファイルをロード)。組織の分類・追加・階層種別を変えたあとは、Maintain Project Organizations を再実行します。プロジェクト・ユニットを設定していないと、手順 6 の画面にユニットが表示されません。
プロジェクトの構成要素
Section titled “プロジェクトの構成要素”プロジェクト・タイプ
Section titled “プロジェクト・タイプ”- プロジェクト・タイプがないとプロジェクトを作れません。クラスの例は契約(contract)・資本(capital)・間接(indirect)です
- 資産化の有効化(Enable capitalization)とバーデンの有効化は、タイプで決めます。スポンサード・プロジェクト(助成金)ではバーデンが自動で有効になります
- タイプの一部の項目は、テンプレートで使われた後は変更できません(FAQs for Project Types)
- 分類カテゴリはプロジェクト・タイプと関連付けられます(Example of Project Types Association with Class Categories)
- 取引制御がなければ、すべての取引を最下位タスクに計上できます。取引制御で制限するときは、チャージ可能(Chargeable)を使います
- 請求可否・資産化可否は、プロジェクトで「No」か「Task Level」を選びます。Task Level ならタスクの詳細で定めた値を使い、取引ごとの値はタスクの値より優先されます
- 日付:タスク日付のロールアップを有効にすると、プロジェクトの日付は最も早い開始日と最も遅い終了日に一致し、直接編集できません。日付カスケードは「しない(既定)」「開始日のみ」「終了日のみ」から選びます
- 財務計画と作業計画の日付は、共通化のオプション(Define Common Financial Task Dates Across Work and Financial Planning)で同期できます
チーム・ステータス・分類
Section titled “チーム・ステータス・分類”- プロジェクト・ロール:Project Manager、Project Administrator、Project Application Administrator に権限差があります。主担当マネージャー(Primary project manager)は承認通知を受けます。リソース要求は Project Manager が行えますが、Project Administrator は既定では行えません
- ステータス:ステータスで新規原価の可否を制御します。Import Projects の Project Status に Closed を指定すると一括でクローズできます
- 分類(Class Categories):全プロジェクトへの割当を必須にするか、1 プロジェクトに 1 コードだけか、割合(%)を持つかを設定します。例:Market Sector は 1 コード・割合なし、Funding Source は複数コード・割合あり
取引制御(Transaction Controls)は、プロジェクトまたはタスクに、経費分類・経費タイプ・システム人物タイプ・ジョブなどの組合せで原価を許可・制限します。Import Project and Task Transaction Controls で一括登録できます。
テンプレートとプロジェクトの作成
Section titled “テンプレートとプロジェクトの作成”- テンプレートから作ると、開始日は常に作成日(現在日)になります。既存プロジェクトから作ると開始日を引き継ぎ、開始日を変えるとタスク日付が差分だけずれます
- テンプレートの BU を変えられるのは、元のテンプレートと同じプロジェクト・ユニットに属し、参照グループ Project Rates と Project Accounting Definition のセット割当が同じ BU です。予算・予測・タスク割当は、元と先で元帳通貨とプロジェクト・カレンダーが同じときだけコピーされます
- 組織を変えるとき、請求イベントがなければ Manage Financial Project Settings で変更できます。請求イベントがあれば、Manage Project and Task Organizations でバッチを作り、Change Project and Task Organizations を実行します
設定・実装の手順
Section titled “設定・実装の手順”実装ガイドは、機能領域・実装プロジェクト・CSV ファイル・Rapid Implementation の 4 つの進め方を示しています。Rapid Implementation は ProjectsDataUpload.xlsm に設定を入力して読み込みます(前提として、GL の勘定体系・法的エンティティ・元帳・BU と、HCM の従業員・部門・階層・ジョブが必要です)。
- 前提となる企業構造(エンタープライズ構造)と HCM を用意します
- 上記の組織の設定手順を実施します
- Define Project Foundation Configuration:収益・経費カテゴリ、経費タイプ、分類カテゴリ、作業タイプ、ステータス、プロジェクト・ロール、リソース(リソース・クラス、ジョブ・マッピング、非労務リソース)、レート・スケジュール、リソース・ブレークダウン構造(RBS)、バーデン、プロジェクト・タイプ、プロジェクト番号
- Control・Costing・Billing の各設定(原価、請求と収益)
- Manage Project Templates:テンプレートを作成します
- プロジェクトの作成または移行:Projects Interface ワークブックで CSV を作り、Load Interface File for Import → Import Projects を実行します。タスクの取込は Import Project Tasks の節に手順があります
マスタデータ
Section titled “マスタデータ”| マスタ | 内容 | 移行手段 |
|---|---|---|
| 組織・プロジェクト・ユニット | 組織の分類、ユニット、BU との関連付け | HCM Data Loader(組織)、手入力、CSV ファイル・パッケージ |
| 分類・ステータス | 収益・経費カテゴリ、経費タイプ、分類カテゴリ、作業タイプ、ステータス | 手入力、CSV ファイル・パッケージ、Rapid Implementation |
| リソース | リソース・クラス、ジョブ・マッピング、非労務リソース、RBS | RBS は Resource Breakdown Structures Interface(FBDI) |
| レートとバーデン | レート・スケジュール、労務原価ルール、バーデン | レート・スケジュールは Import Project Rate Schedules |
| プロジェクト・タイプ、テンプレート | プロジェクトの種類とひな形 | 手入力 |
| プロジェクト・タスク・チーム | 実際のプロジェクトと構成 | Projects Interface(FBDI) |
依存関係は「経費カテゴリ → 経費タイプ → 取引制御」「ジョブ・マッピングとレート → 労務原価」「バーデン(ベース・コード → 構造 → スケジュール)→ プロジェクト・タイプ」のように、右側が左側を参照します。
他モジュールとの連携
Section titled “他モジュールとの連携”| 連携 | 内容 |
|---|---|
| GL | BU が元帳に紐づきます。元帳通貨とプロジェクト・カレンダーは、テンプレートの BU 変更時の予算コピーの条件になります |
| HCM | 組織・ジョブ・従業員を共有します。Import HCM Persons as Project Enterprise Resources で人をリソースとして取り込み、HCM の割当ステータスは原価の検証に使われます |
| AR | プロジェクトの顧客は顧客マスタから選びます(顧客マスタと共通設定) |
| EPM | Enterprise Performance Management との連携は、実装ガイドの Project Integrations の章にあります |
標準機能とアドオン
Section titled “標準機能とアドオン”| 種類 | 例 | 実現手段 |
|---|---|---|
| 拡張 | プロジェクトへの独自項目 | Application Composer(財務プロジェクトの子オブジェクト)、Page Composer(Manage Project Financial Settings の拡張) |
| ワークフロー | プロジェクト・ステータス変更の承認 | ステータス変更ワークフロー |
| 連携 | 外部の WBS・スケジュール | Microsoft Project 連携、Import Projects |
| 監査 | 設定変更の追跡 | プロジェクト管理オブジェクトの監査 |
Fit to Standard では、プロジェクトごとに違う入力を「テンプレートの複数化」と「分類カテゴリ」で吸収できないかを先に確認します(標準機能とアドオンの考え方)。
落とし穴とベストプラクティス
Section titled “落とし穴とベストプラクティス”- ユニットと BU は最小限にし、先に参照データ・セットの設計を決めます
- テンプレートは業務類型ごとに作り、取引制御・計画タイプ・タスク・チームをまとめて標準化します
- 移行はプロジェクト → タスク → チーム → 予算 → 実績原価の順に取り込みます
実装リファレンス
Section titled “実装リファレンス”| 種類 | 名前(26D のガイドで確認) | 用途 |
|---|---|---|
| ESS | Maintain Project Organizations | 組織の分類・追加・階層変更後の反映 |
| ESS | Import Projects/Import Project and Task Transaction Controls | プロジェクト・取引制御の一括取込 |
| ESS | Import Resource Breakdown Structures | RBS の取込 |
| ESS | Change Project and Task Organizations | 既存プロジェクトの組織変更 |
| FBDI | Projects Interface、Resource Breakdown Structures Interface | Excel ワークブックによる一括取込 |
| 表 | PJF_PROJECTS_ALL_B、PJF_PROJ_ELEMENTS_B | プロジェクト、プロジェクト要素(タスク) |
| 表 | PJC_TXN_CONTROLS_STAGE | 取引制御のインターフェース表 |
試験対策ポイント
Section titled “試験対策ポイント”- 対応試験:PPM 模擬テスト の基盤設定の分野
- 参照データ・セットの決定子:プロジェクト・ユニット=分類コード・計画タイプ・経費タイプ・作業タイプ、BU=プロジェクト・タイプ・レート・スケジュール
- 組織の分類は Project Task Owning と Project Expenditure の 2 種。BU には Project Accounting 業務機能を割り当てる
- 組織変更後は Maintain Project Organizations を実行する
- テンプレートから作ると開始日は現在日。BU を変えられる条件
- 取引制御がなければ最下位タスクに取引できる
公式ドキュメント
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