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財務レポート(Financial Reporting Web Studio・Smart View・残高キューブ)

GL の財務レポートは、取引テーブルではなく 残高キューブ を読むのが特徴です。キューブは期間・勘定などのディメンションで残高を集計済みの形で持っているため、財務諸表のような集計レポートを高速に作れます。

財務レポートのデータの流れ
仕訳の作成 → 転記(Posting)→ GL の残高 → GL 残高キューブ(Essbase)
→ Financial Reporting Web Studio:財務諸表(BS・PL・CF、部門別 PL など)
→ Smart View:Excel でのアドホック分析・Excel レポート
→ 勘定グループ:重要勘定の監視(一般会計ダッシュボード、Sunburst)
→ OTBI:General Ledger - Balances Real Time サブジェクト領域

主なツールと用途は次のとおりです。

ツール 用途 作成者 公開・利用の場所
Financial Reporting Web Studio 体裁の整った財務諸表、計算式・複数ページのレポート GL 担当・経理部門 Financial Reporting Center
Smart View Excel でのピボット・ドリル、Excel レポート 経理担当・分析担当 Excel(ファイルは Financial Reporting Center に置ける)
勘定グループ(Account Groups) 重要勘定の残高監視と多次元の掘り下げ GL 担当 一般会計ダッシュボード、Account Inspector
OTBI(残高系サブジェクト領域) 残高と取引の組合せ分析 業務ユーザー Reports and Analytics

公式ドキュメントで確認できる要点は次のとおりです。

  1. GL 残高キューブは 元帳の設定の一部として作成 されます。
  2. COA と会計カレンダーの組合せごとに別のキューブ が作られます。同じ COA とカレンダーを使う元帳は、同じキューブを共有します。
  3. 財務レポートやワークスペースからキューブを使うには、キューブごとにデータベース接続 を作成します。
  4. GL では Smart View の Smart Slice 機能はサポートされていません。

キューブのディメンションは、COA のセグメント(会社・部門・勘定など)に加えて、会計期間、元帳、通貨、残高の種類(実績・予算など)といった軸で構成されます。COA の階層(勘定ツリー)を変更した場合は、キューブへの反映(公開)が必要です。反映し忘れると、財務レポートの合計が合わない原因になります(COA・元帳・GL セキュリティ・残高キューブ)。

Financial Reporting Center は、財務関連のレポートを利用者が開く主な入口です。タブレットやスマートフォンからも使えます。ナビゲータ > General Accounting > Financial Reporting Center で開きます。

扱えるレポートの種類は次の 7 つです。

種類 内容
財務レポート(Financial Reports) Financial Reporting Web Studio で残高キューブから作るレポート
勘定グループと Sunburst 重要勘定の監視と、Sunburst による多次元表示(GL のみ)
Smart View レポート Excel ベースの多次元分析ファイル
OTBI の分析 サブジェクト領域で作る分析(GL、AP、AR、CM、会社間など)
OTBI のダッシュボード 分析やレポートをまとめた画面
BIP レポート 主に事前定義の帳票。最新データはスケジュール済プロセスから実行して得る
BI モバイル・アプリ モバイル向けのアプリケーション

保存場所のルールは次のとおりです。

  1. 財務レポートは Shared > Custom > Financials と My Folders から読み込まれます。
  2. その他の種類はカタログのどこにでも保存できますが、ユーザーが作ったコンテンツは Shared > Custom 配下に置きます(サブフォルダも作成可)。
  3. Smart View のファイルは、Tasks の Open Workspace for Financial Reports からワークスペースを開き、BI Catalog で Upload します。

Financial Reporting Center ではお気に入りやタグも設定できます。ワークスペース(Enterprise Performance Management System Workspace)では、レポートのほか、ブック、スナップショット、バッチ、バッチ・スケジューラも扱えます。

Financial Reporting Web Studio は、ブラウザで財務レポートを定義するツールです。公式ドキュメントでは次の特徴が挙げられています。

  • Web ベースのレポート定義ツール
  • オブジェクト単位のレポート作成(オブジェクトは複数のレポートで再利用可能)
  • グリッドのドラッグ&ドロップ、テキスト・画像・グラフの挿入
  • ディメンションを行・列・ページ・視点(POV)のいずれか 1 か所に配置
  • データ行・計算式行・テキスト行の挿入、メンバー選択や関数によるメンバー指定
  1. ナビゲータ > General Accounting > Financial Reporting Center を開きます。
  2. Tasks パネルで Open Workspace for Financial Reports をクリックします。
  3. ワークスペースの Tools メニューで Launch Financial Reporting Web Studio をクリックします。

画面は、リポジトリ(フォルダ・レポート・検索)、サマリー(開いているレポートの情報)、レポート(オブジェクト・ブラウザ、デザイン・キャンバス、プロパティ)で構成されます。

基本的な財務レポートの作り方(損益計算書の例)

Section titled “基本的な財務レポートの作り方(損益計算書の例)”

公式ドキュメントの手順をもとにした流れです。

  1. File > New > Report で新しいレポートを作ります。
  2. ツールバーの Grid でデザイン・キャンバスにグリッドを配置し、Database Connection Properties で COA に対応するデータソース(キューブ)を選びます。
  3. Dimension Layout で、Accounting Period を列、Account を行、Company をページ に配置します。ページに置いた会社は、実行時に選択できます。
  4. 最初の行に収益の親勘定(収益合計)を指定します。
  5. テキスト行を挿入して空白行にし、データ行を挿入して費用の親勘定を指定します。「Place selections into separate rows」を選ぶと、勘定ごとに別の行になります。
  6. 計算式行を追加して、営業利益などを計算します。
  7. 抑制(Suppression)を設定します。公式ドキュメントは、データベース接続のレベルで抑制をオンにし、グリッド全体で抑制をオン、常に表示する行・列だけオフにすることを推奨しています。
  8. 自分のフォルダを選んで保存し、HTML または PDF でプレビューします。

財務レポートからキューブを使うには、ワークスペースでデータベース接続を作ります。元帳の設定が完了している必要があります。

  1. Financial Reporting Center の Tasks で Open Workspace for Financial Reports を開きます。
  2. Navigator メニュー > Applications > BI Catalog を開きます。
  3. Tools メニュー > Database Connection Manager で New を選びます。
  4. 接続名を入力し、Type に Essbase を指定して、サーバー・ユーザー名・パスワードを入力します。
  5. Application(キューブ)と Database を選択して保存します。

Smart View(GL 残高キューブ・アドホック分析)

Section titled “Smart View(GL 残高キューブ・アドホック分析)”

Smart View は、Excel から残高キューブに接続して分析するアドインです。

  1. Financial Reporting Center の Tasks > Open Workspace for Financial Reports でワークスペースを開き、Tools > Install > Smart View でインストーラを入手します。
  2. Smart View は Microsoft Office のアドインのため、Windows でのみ インストールできます。
  3. ワークスペースの URL の末尾 index.jsp を SmartViewProviders に置き換えた URL が、Shared Connections URL です。
Shared Connections URL の作り方(例)
ワークスペースの URL:https://<your-pod>.fa.<region>.oraclecloud.com/workspace/index.jsp
Shared Connections URL:https://<your-pod>.fa.<region>.oraclecloud.com/workspace/SmartViewProviders
  1. Excel の Smart View > Options > Advanced で、Shared Connections URL に貼り付けます。
  2. Smart View パネルから共有接続を開き、COA とカレンダーに対応するキューブを選んで接続します。
  1. キューブに接続し、アドホック分析を開始します。シートに既定の行・列が表示されます。
  2. POV(視点) で元帳・通貨・期間などを固定します。POV を絞らないと、取得するデータが大きくなり遅くなります。
  3. 行や列のメンバーを ズームイン/ズームアウト して階層を掘り下げます(例:勘定の親から子へ、年から四半期・月へ)。
  4. ピボット で行と列のディメンションを入れ替えます。
  5. Excel の数式や書式を加えてレポートにし、必要に応じて Financial Reporting Center にアップロードして共有します。

Smart View の操作の詳細は、EPM のドキュメントの Smart View ユーザーガイドで確認してください。

勘定グループ・インフォレット・一般会計ダッシュボード

Section titled “勘定グループ・インフォレット・一般会計ダッシュボード”

Account Groups(勘定グループ)は、重要な勘定(現金、売掛金、売上など)をまとめて監視する仕組みです。公式ドキュメントでは「例外ベースの監視」と、Sunburst による多次元の掘り下げが特徴として挙げられています。

  • 監視したい勘定(勘定の組合せ)を勘定グループとして定義します。設定項目の詳細は公式ドキュメントの「Configure an Account Group」で確認してください。
  • General Accounting Dashboard や Account Inspector で残高を確認し、Sunburst で事業の軸(会社・部門など)ごとに残高の内訳を見ます。

インフォレットは、ホームやダッシュボードに置く小さな情報パネルです。主要な数値を一目で確認し、詳細画面へ移動する入口として使います。表示内容は利用者が個人用に調整(パーソナライズ)でき、管理者が構成することもできます。どのインフォレットを使えるかはリリースや製品により異なるため、公式ドキュメント(Creating and Administering Analytics and Reports for Financials の Infolets)で確認してください。

General Accounting Dashboard(一般会計のダッシュボード)は、GL 担当者の日常業務の起点となる画面です。公式ドキュメントでは、勘定グループを利用できるツールとして General Accounting Dashboard と Account Inspector が挙げられています。勘定グループで定義した重要勘定の残高を確認し、気になる残高から Account Inspector や Sunburst で内訳を掘り下げる、という使い方をします。画面に表示される領域はリリースにより異なるため、実機または公式ドキュメントで確認してください。

落とし穴とベストプラクティス

Section titled “落とし穴とベストプラクティス”

ベストプラクティスは次のとおりです。

  1. 財務諸表は勘定ツリー(階層)で組み立てる:個々の勘定コードを並べず、親勘定を指定すると、勘定の追加に強いレポートになります。
  2. レポートの部品を再利用する:Web Studio のオブジェクト(グリッド・テキストなど)を共通化して、複数のレポートで同じ定義を使います。
  3. 保存場所と命名を統一する:財務レポートは Shared > Custom > Financials 配下に、用途別のサブフォルダで保存します。
  4. GL の締めの手順に組み込む:試算表 → 財務諸表 → 分析の順で、締め後に確認するレポートを決めておきます(期間締め)。
  5. 連結や高度な予算管理は EPM を検討する:グループ連結や予算編成は EPM Cloud(FCC・Planning)の領域です(EPM Cloud の全体像)。
  • 対応する試験:GL 模擬テスト の財務レポート関連の分野(財務レポート、Smart View、勘定グループ、残高キューブ)。
  • 残高キューブは元帳の設定時に作成され、COA と会計カレンダーの組合せごとに 1 つ、データベース接続もキューブごとに必要、という点を押さえます。
  • Financial Reporting Center で扱う 7 種類のレポートと、それぞれの作成ツールの対応を覚えます。
  • Smart View は Excel のアドイン(Windows のみ)で、Shared Connections URL は SmartViewProviders で終わること、GL では Smart Slice が使えないことを押さえます。
  • 勘定グループは重要勘定の例外ベースの監視と Sunburst による掘り下げに使います。

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