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参照タイプ・プロファイル・共通マスタの設定

共通オブジェクト 用途 主な設定タスク
参照タイプ 画面の選択肢、処理の区分 Manage Standard Lookups など
プロファイル・オプション 動作・既定値の切替 Manage Administrator Profile Values
通貨・レートタイプ・日次レート 外貨換算 Manage Currencies、Manage Conversion Rate Types、Manage Daily Rates
地理 住所の構造と検証、税の判定 Manage Geographies
伝票番号 取引への一意な番号の付与 Manage Document Sequences

参照タイプ(Lookup Type)は、参照コード(Lookup Code)とその表示名(Meaning)の集まりです。たとえば参照タイプ REQUIRED_INDICATOR では、コード Y・N が画面に「Yes」「No」と表示されます。コードにはスペースを使わず、アンダースコアでつなぎます。

種類 内容 設定タスク
標準(Standard) コードと翻訳された表示名だけを持つ Manage Standard Lookups
共通(Common) 従来からの参照タイプや、属性を持つもの Manage Common Lookups
セット使用可能(Set-Enabled) コードを参照データセットに関連付け、BU などごとに候補を変える Manage Set-Enabled Lookups

Manage Purchasing Lookups のように、製品ごとに絞り込んだタスクもあります。

操作 User Extensible System
参照タイプの削除 可 不可 不可
コードの追加 可 可 不可
コードの有効化・日付変更・削除 可 Oracle 提供以外のコードのみ可 不可
タグ・モジュールの更新 可 不可 不可

新しく作った参照タイプは User レベルです。構成レベルは一度設定すると変更できません。

  • 参照タイプの REST Access Secured は Anonymous・Authenticated・Secure から選び、既定は Secure です。standardLookupsLOV などの LOV 用リソースで取得したい場合は、Authenticated または Anonymous に変更します
  • 参照タイプの変更は、利用者がサインアウトしてサインインし直した後に反映されます

プロファイル・オプションは、言語・通貨などの利用者の既定値、画面の表示、ログの出力レベルなどの処理オプションを一元管理する設定です。

タスク 用途
Manage Profile Options プロファイル・オプションの作成・変更(変更が制限されている Oracle 提供のものを除く)
Manage Profile Categories 機能が似たプロファイル・オプションのグループ化
Manage Administrator Profile Values 有効なプロファイル・オプションの値の設定(すべてのプロファイルにアクセスできる)
  • Site:環境全体に適用します。1 つのプロファイルにつき 1 行です
  • User:特定のユーザーに適用します。複数行を設定できます
  • Product:26D のドキュメントでは非推奨で、新たには使えません。過去の値を表示するために一覧に残っている場合があります
  • ユーザー・レベルが有効で値があれば、サイト・レベルより優先されます。ユーザー・レベルの値がなければサイト・レベルの値が使われます
  • 値の変更は、利用者が次にサインインしたときに反映されます

ユーザー・レベルの値は FSM の構成パッケージでは移行されません(FSM)。また、Redwood ページの有効化にプロファイル・オプションを使う製品もあります(Redwood UX と AI・自動化機能)。

使う通貨を Manage Currencies で有効にし、換算に使うレートタイプを定義します。Oracle 提供のレートタイプは次の 4 つです。

レートタイプ 向いている場面
Spot 変動する通貨や、正確な換算が必要な場合
Corporate 組織全体で標準のレートを使う場合
User 日次レートを登録していない通貨を、たまに入力する場合(レートを手入力)
Fixed 2 つの通貨間のレートが一定の場合

レートタイプは追加できますが、削除はできません。主なオプションは次のとおりです。

  • Enforce Inverse Relationship:A→B のレートを入れると B→A の逆レートを自動計算し、片方を変えるともう一方も再計算します
  • ピボット通貨と Enable Cross Rates:ピボット通貨(例:USD)との間のレートから、他の通貨同士のクロスレートを計算します。Allow Cross Rates Override を選ぶと、計算されたクロスレートの上書きを許可します
  • 期間レート:期中平均レート・期末レートに使うレートタイプを元帳に割り当て、残高の換算に使います(期間締め)
方法 向いている場面 ポイント
日次レートのスプレッドシート(Create Daily Rates) 少量の手入力 ADFdi で入力・アップロード
FBDI(Import and Calculate Daily Rates) 大量・定期の取込 インターフェース表 GL_DAILY_RATES_INTERFACE を経由
ERP Integration Service 外部のレート提供元からの自動取込 uploadFileToUcm → submitESSJobRequest → getESSJobStatus

取り込んだレートは Manage Daily Rates タスクの Currency Rates Manager で確認します。日本では、たとえば銀行の公表仲値を社内レート(Corporate)として毎営業日取り込む、といった運用を設計します(例)。

  • 地理構造(Geography Structure):国ごとの地理タイプの階層です。例:米国は State → County → City → Postal Code
  • 地理階層(Geography Hierarchy):構造に沿った実際の値(例:California → San Mateo → Redwood City → 94065)です
  • 地理の検証:住所スタイルの項目と地理タイプを対応付け、住所の州・市・郵便番号などを地理データと照合します。税の判定に使う地理タイプも指定します
設定 内容
住所検証の制御 Error(すべて正しい住所だけ保存できる)/No Validation(不完全でも保存できる)
List of Values の有効化 住所入力時に地理の値から選ばせる。画面だけが対象で、インポートや REST は対象外
既存住所の検証 後から検証を有効にした場合は Validate Geographies of Addresses Against Master Geographies を実行

地理データは、Manage Geographies で国を選び Actions > Import Geography Data で Oracle が提供するデータ(Loqate)を取り込むか、ナビゲータ > Tools > Import Management でファイルから取り込みます。Oracle 提供データがある国は限られるため、日本が対象かは公式ドキュメントの一覧で確認し、なければ都道府県・市区町村・郵便番号のどこまでを検証するかを設計します。

方式 内容
Automatic 文書の作成時に自動採番する。欠番が生じることがある
Manual 利用者が番号を入力する。一意性だけ検証する
Gapless 正常に作成された文書だけに自動採番し、欠番を防ぐ。性能に影響するため必要な場合だけ使う
  • **伝票番号カテゴリ(Document Sequence Category)**で文書をグループ化し、カテゴリに伝票番号を割り当てます。カテゴリは 1 つのテーブルに対応し、後から変えられません
  • **決定子タイプ(Determinant Type)**で、元帳や税登録などの単位ごとに採番を分けられます
  • 初期値は最大 11 桁で、定義後は変更できません。1 つのカテゴリと決定子値に対して、有効な割当は 1 つです
  • Audit を選ぶと、採番の記録が FND_DOC_SEQUENCE_AUDIT 表に残ります
  • GL の仕訳の採番(会計・報告の順序番号)は GL 側の設定です(仕訳)

その他の共通参照オブジェクト

Section titled “その他の共通参照オブジェクト”
オブジェクト 内容
アプリケーション・タクソノミ 製品・モジュールの階層
ISO 参照データ 地域(Territories)、通貨、言語、業種
事業所(Locations) 住所を持つ拠点。法的エンティティや組織の所在地に使う
ツリー(Trees) 勘定や組織などの階層
メッセージ(Messages) 画面や処理が表示するメッセージ
  1. 使う言語・通貨を有効にします
  2. 地理(構造・階層・検証)を設定し、地理データを取り込みます
  3. 事業所を登録します
  4. 各モジュールで必要な参照コードを追加します(構成レベルを確認)
  5. サイト・レベルのプロファイル値を設定します
  6. レートタイプを定義し、日次レートの取込運用(誰が・いつ・どの方法で)を決めます
  7. 伝票番号のカテゴリ・方式・割当を設定します
テンプレート(Import and Calculate Daily Rates)に入力 → Validate Daily Rates で日付形式・期間の重複を確認 → CSV(ZIP)を生成
→ スケジュール済プロセス:Load Interface File for Import(Import Process = Import and Calculate Daily Rates、Data File = 生成した ZIP)
→ GL_DAILY_RATES_INTERFACE → Import and Calculate Daily Rates → 日次レート → Currency Rates Manager で確認

テンプレートの列の順序は変えず、使わない列も削除しません(非表示は可)。

SQL:取り込んだ日次レートを確認する(BI Publisher)

Section titled “SQL:取り込んだ日次レートを確認する(BI Publisher)”
指定日の対円レート(例)
SELECT gdr.from_currency,
gdr.to_currency,
gdr.conversion_date,
gdct.user_conversion_type,
gdr.conversion_rate
FROM gl_daily_rates gdr
JOIN gl_daily_conversion_types gdct
ON gdct.conversion_type = gdr.conversion_type
WHERE gdr.conversion_date = :P_CONVERSION_DATE
AND gdr.to_currency = 'JPY'
ORDER BY gdr.from_currency, gdct.user_conversion_type
参照タイプのコード一覧(例)
SELECT flv.lookup_type,
flv.lookup_code,
flv.meaning,
flv.enabled_flag,
flv.start_date_active,
flv.end_date_active
FROM fnd_lookup_values_vl flv
WHERE flv.lookup_type = :P_LOOKUP_TYPE
ORDER BY flv.lookup_code

セット使用可能な参照タイプは、セットごとに同じコードが複数行になることがあります。テーブル・列は Tables and Views で確認してから使います。

落とし穴とベストプラクティス

Section titled “落とし穴とベストプラクティス”
  • 参照コード・プロファイル値・レートタイプは設定一覧(設計書)で管理し、どの環境にいつ反映したかを記録します
  • 日次レートは、取込が遅れると外貨取引の会計処理が止まります。取込ジョブの監視と、遅延時の代替手順(手入力)を決めておきます
  • Gapless は法令・監査上の要件がある文書に限定し、それ以外は Automatic を基本にします
  • GL 模擬テスト:レートタイプ(Spot・Corporate・User・Fixed)の違い、逆レートとクロスレート、日次レートの取込方法、期間レートと換算
  • AP 模擬テスト・AR 模擬テスト:伝票番号の方式(特に Gapless)、参照タイプ、プロファイル・オプション
  • 調達模擬テスト・受注模擬テスト:製品別の参照タイプのタスク、プロファイルによる既定値の制御
  • 判断ポイント:「ユーザー・レベルはサイト・レベルより優先」「Product レベルは非推奨」「構成レベルは変更不可」「伝票番号の方式・初期値は後から変更不可」

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