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プロジェクト請求と収益(契約・請求方法・収益認識)

契約(ヘッダー・当事者・明細・関連プロジェクト)
├ 請求計画(Bill Plan) … 請求方法・請求サイクル・支払条件
└ 収益計画(Revenue Plan)… 収益方法
↓
経費項目(原価)・請求イベント → 請求取引(Billing Transaction)
├ Generate Invoices → 請求書 → 承認・リリース → Import AutoInvoice(Receivables)→ Accepted
└ Generate Revenue → 収益 → Create Accounting(SLA)→ GL

請求書や契約へのアクセスは BU 単位で保護されます。契約の BU には Customer Contract Management 業務機能と Project Contract のオプションを設定し、会社間や部門間の請求では提供側 BU(Provider)と受入側 BU(Receiver)を指定します。契約タイプで、会社間請求・プロジェクト間請求・請求制御(Billing Controls)の利用を有効にします。全体の組織設計は PPM の全体像 を参照してください。

  • ヘッダー:当事者(顧客・請求先・契約管理者)、契約タイプ、営業クレジットなど
  • 明細(Lines):1 明細に請求計画と収益計画を 1 つずつ紐づけます。計画は複数の明細で共有できます
  • 関連プロジェクト(Associated Projects):明細にプロジェクトを関連付けます。タスクは任意で、指定しなければそのプロジェクトの対象取引がすべて対象になります。資金額(Funded Amount)と、同じプロジェクトに複数契約が紐づく場合の請求順(Billing Sequence)を設定します
  • 請求計画:請求通貨・請求サイクル・支払条件・請求オフセット日数・請求書の要約形式(労務/非労務/イベント)などを持ちます。レート基準の方法ではスケジュールとオーバーライドも持ちます
  • 収益計画:収益方法を持ちます。請求計画と同様の構造です
分類 金額の決まり方 向く契約の例 使える方法
Rate Based 単価(請求レート・バーデン・移転価格のスケジュール)をかけて計算 時間・材料(T&M) 請求・収益
Amount Based 手動で作る請求イベントの金額 マイルストン(検収基準)、定額の分割請求 請求・収益
Percent Spent 支出の進捗(原価計画に対する消化率)からイベントを自動作成 定額(原価比例の進行基準) 請求・収益
Percent Complete 完了率からイベントを自動作成 定額(進捗率による進行基準) 請求・収益
As Incurred 経費項目が発生した時点で収益を認識 T&M の収益 収益のみ
As Billed 請求書の金額に含めた時点で収益を認識 請求ベースの収益 収益のみ
  • As Billed の収益は、請求書の調整に応じて自動で調整されます
  • 定額の請求計画では、請求通貨タイプ(Billing Currency Type)は Contract または User にします
  • 請求方法の分類の一覧と構成要素は、実装ガイドの Invoice and Revenue Method Classifications で確認してください

請求イベント(Billing Event)は、原価に依存しない請求・収益を表します。イベント・タイプで請求用・収益用・両方を決めます。

  • 完了日(Completion date)がないイベントは、請求も収益計上もできません
  • 削除できるのは未処理のイベントだけです。請求・収益計上済み、逆仕訳済み、請求拡張(Billing Extensions)で作られたものは削除できません
  • 取込:Create Billing Events の Excel テンプレートで CSV を作り、アップロードして Load Interface File for Import を実行し、Import Project Billing Events でイベントを取り込みます。エラーは Billing Event Upload Error レポートで確認します
  • Web サービス:Project Billing Event Create, Read, Update, or Delete と Update Events があります
  • 請求制御(Billing Controls):契約または明細に、対象リソース(労務・経費など)、期間、ソフト・リミット、ハード・リミットを設定します
  • ソフト・リミットを超えると初回に警告が出ますが、請求は続きます
  • ハード・リミットでは、残りの資金額までを一部請求し、超過分は請求取引の例外(Manage Billing Transaction Exceptions)になります。判定は請求・収益の累計(ITD:Inception-to-Date)で行います
  • 保留(Hold):契約・明細・請求計画・収益計画を保留にすると新規の請求が作られません。既存の請求書は更新・承認・リリース・転送できます
  • 経費項目を非請求(Nonbillable)にすると、請求・収益の対象外になり、既存の請求取引は削除されます
  1. 請求サイクルで対象を決めます。単一契約の請求ではサイクルのチェックは省略され、範囲指定では Bill Through Date から次回請求日を計算します
  2. 請求取引を作ります(自動または手動)。経費項目と契約明細の組合せごとに作られ、請求明細の元になります
  3. Generate Invoices で請求書を作ります。ステータスは Draft です。契約の Generated Invoice Status が Released なら Released で作られます
  4. プレビューでテンプレートを選んで確認し、承認・リリースします
  5. Receivables へ転送します。Receivables の Import AutoInvoice と Project Billing の Update Invoice Details の結果が、Accepted または Transfer Rejected として請求書に反映されます
  6. 印刷は、Accepted になった請求書で Released Invoices から Receivables の請求書を開いて行います

取消とクレジットは Invoice Credit Actions で行います。

アクション 内容
Cancel Released で、入金・調整・クレジットがない請求書だけ可能。取消の貸方を作り、取引は未請求に戻る
Write off 貸倒れとして貸方請求書を作る。消費した資金は戻らない
Concession 取引を調整せず、金額または割合で貸方を作る
Net invoice 契約でネット請求を有効にし、貸方を新規請求書と相殺する

Receivables 側の取引ソース(Transaction Sources)や AutoInvoice の挙動は 請求(取引・AutoInvoice・AutoAccounting) を参照してください。

  • Generate Revenue で収益を作ります。必要なら、生成時に収益の会計エントリも作れます
  • 調整:収益保留(Revenue Hold)や非請求への変更は、次回の Generate Revenue で逆仕訳(同じ属性で金額が負)になります。契約の変更では、発効日以降の処理済み取引が Adjustment Pending になります
  • 収益と請求の差は、未請求売掛金(収益が先行)または前受収益(請求が先行)として残高を持ちます。残高の再分類の計算は、Record Accounting for Project Billing の章で確認してください
  • 仕訳は SLA で作り、GL へ転送します。プロジェクト会計期間の運用は原価と同じ考え方です(プロジェクト原価)

承認済みの契約は Under Amendment にしてから変更します。明細と請求計画・収益計画の紐づけを変えられるのは Draft のときだけで、関連プロジェクトの削除も Draft のときだけです。Under Amendment では関連付けを非アクティブにします。収益方法を変えると影響が出る組合せ(As Incurred から Amount Based への変更など)がガイドに整理されています。

プロジェクトが他の BU や組織にサービスを提供する場合は、内部請求(Internal Project Billing)で原価と収益を配分します。外部顧客への請求と同じ契約の仕組みを使い、次の設定が加わります。

  • 会社間請求(Intercompany):契約で提供側 BU(Provider)と受入側 BU(Receiver)を指定し、会社間バランシング・ルール(Intercompany Balancing Rules)で仕訳を均衡させます(会社間取引)
  • プロジェクト間請求(Interproject):契約タイプのオプションで有効にします
  • 移転価格(Transfer Pricing):移転価格スケジュールは、請求レートの取得元の 1 つです。ルールとスケジュールは実装ガイドの Transfer Pricing の章で設定します

実装ガイドの Project Billing Configuration に沿って進めます。

  1. 契約の番号体系:ドキュメント・シーケンス、契約番号の範囲
  2. Project Contract の BU オプションと、Customer Contract Management 業務機能のプロパティ
  3. 請求方法・収益方法:構成要素と分類、Project Invoicing Options、Project Revenue Options
  4. レート・スケジュールと、会社間請求(バランシング・ルール)、移転価格(ルールとスケジュール)
  5. 顧客請求の取引ソース(Customer Billing Configuration の章)
  6. 契約テンプレートと契約タイプ。会計ルールは SLA 側で設定します
種類 例 実現手段
帳票 請求書の様式 Print Invoices のテンプレート、BI Publisher
拡張 独自の請求ロジック 請求計画の Billing Extensions(公式で確認)
インターフェース 外部システムの検収データから請求イベントを作る FBDI(Create Billing Events)+OIC、Web サービス
分析 契約・請求の分析 OTBI(Enterprise Contracts - Contracts Real Time など)

Fit to Standard では、検収基準・進行基準・時間・材料のどれも、まず請求方法の分類で表現できないかを確認します(標準機能とアドオンの考え方)。

今回確認した公式ガイド(26D)には、Project Billing に固有の日本向け機能は確認できませんでした。次は汎用機能での設計の論点です。

  • 検収基準は Amount Based とイベントの完了日、進行基準は Percent Complete/Percent Spent で表現できるかを検討します。会計方針は会計・監査の判断を先に確定してください
  • 締め請求は、請求サイクルと請求オフセット日数で表現できるかを検討します
  • 消費税や適格請求書(インボイス制度)は Receivables と Fusion Tax の設定に依存します(税(Fusion Tax))。Project Billing 側の見積税の扱いは公式で確認してください
種類 名前(26D のガイドで確認) 用途
ESS Generate Invoices 請求書の作成
ESS Generate Revenue 収益の作成
ESS Import AutoInvoice(Receivables)、Update Invoice Details AR への転送と結果の反映
ESS Load Interface File for Import、Import Project Billing Events 請求イベントの一括取込
ESS Update Contract Status 契約ステータスの更新
FBDI Create Billing Events 請求イベントの Excel テンプレート
SOAP Project Billing Event Create, Read, Update, or Delete/Update Events 請求イベントの操作
OTBI Enterprise Contracts - Contracts Real Time 契約の分析
  • 対応試験:PPM 模擬テスト の請求と収益の分野
  • 契約明細は請求計画と収益計画を 1 つずつ持つ。計画は複数明細で共有できる
  • 方法の分類:Rate Based/Amount Based/Percent Spent/Percent Complete。As Incurred と As Billed は収益のみ
  • ハード・リミットは残額まで一部請求して超過は例外、ソフト・リミットは警告のみ
  • 請求書:Draft → Released → Accepted/Transfer Rejected。Cancel は入金などがない Released の請求書だけ
  • 承認済み契約は Under Amendment にして変更する。関連付けの変更は Draft のとき

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