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アプリケーション設計(キューブ・ディメンション・モジュール)

ビジネスプロセスと作成オプションの選び方

Section titled “ビジネスプロセスと作成オプションの選び方”

EPM Enterprise Cloud Service のランディングページで Planning を選ぶと、次の作成オプションが出ます(Administering Planning。26.09 時点の記述)。

作成オプション 内容(公式の説明の要約) 詳しいガイド
Create a sample application Vision というサンプル。Planning を試す —
Custom 業務ルールや配賦などの複雑なロジックで、ほとんどの計画・予算の要件に対応する Administering Planning
Modules Capital・Financials・Projects・Workforce・Strategic Modeling のキューブを設定する。ベストプラクティスを備える Administering Planning Modules
Sales Planning 営業の計画 Administering Sales Planning
Strategic Workforce Planning 人員の計画 Administering and Working with Strategic Workforce Planning
Cash Forecasting Predictive Cash Forecasting Administering Predictive Cash Forecasting
Migrate 事前にアップロードしたスナップショットから Custom の Planning アプリを作る Administering Migration

FreeForm は Planning の作成オプションではなく、26.09 以降は FreeForm ビジネスプロセス(EPM ランディングページ)からのみ作成します(Administering FreeForm)。

サービスの種類でも、作れるアプリが変わります。Selecting the Application Type では、Standard(Sample または New の高度なカスタムアプリ)、Enterprise(Custom、または Financials・Workforce・Capital・Projects の事前定義のビジネスプロセス。Strategic Modeling も構築可能)、Reporting(基本のアプリを作り、後で拡張)と説明されています。

選び方の流れです。

  1. 損益・貸借対照表・キャッシュフロー、人員、設備投資、プロジェクトが中心なら Modules(Fit to Standard を優先)
  2. 配賦や独自の計算、独自のディメンション構成が中心なら Custom
  3. 営業計画、人員の戦略計画、キャッシュ予測が主目的なら、それぞれの専用オプション
  4. 別環境のアプリを複製するなら Migrate(スナップショット)

通貨は単一通貨か多通貨を作成時に選びます。Custom と Modules の多通貨は simplified multicurrency で作成します。

モジュール 計画する内容(公式の説明の要約) 設計の勘所(設計上の整理)
Financials 収益・費用の計画。ドライバーベースまたはトレンドベースの損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー Fusion の COA との勘定の対応。BS・CF まで使うか
Workforce 人員数と報酬(給与・福利厚生・税金など)。財務計画と連携する 従業員データの取込元、職種・雇用形態の粒度
Capital 設備投資の管理・優先順位付け・計画。長期の財務への影響 資産分類と、実績側(固定資産)とのマスタの対応
Projects プロジェクトの計画と財務計画をつなぐ。全社リソースへの影響を評価する プロジェクトの粒度、プロジェクト管理システムとの連携
Strategic Modeling 長期の戦略計画。財務予測・モデリングとオンザフライのシナリオ分析 対象期間と粒度、短期の予算との役割分担

各モジュールには、フォーム・計算・ダッシュボード・ドライバー・KPI の事前構築コンテンツが含まれます。機能を有効化すると、ディメンション(Accounts を含む)、フォーム、ルール、メンバー式、ダッシュボードが作られます。Financials のキューブ名・プランタイプ名は OEP_FS で、公式チュートリアルでは Scenario に OEP_Plan、Version に OEP_Working が使われています。

Planning の計算は Essbase のキューブで行います。

種類 向く用途 特徴
ブロック・ストレージ(BSO) 入力と計算 計算ルールを実行できる。密・疎の設計が性能を左右する
アグリゲート・ストレージ(ASO) 大量データの集計・報告 集計が速い。入力用のキューブとは役割を分ける
  • Modules は、モジュールごとの専用キューブを作ります。複数のキューブをまたぐ集計は、キューブ間のデータ移動で実現します
  • **データマップ(Data Maps)**は、キューブ間のデータの流れを定義します。Smart Push は、フォームに関連付けたデータマップを、フォームの保存時に実行します
  • 入力用と報告用を分け、報告用には必要なデータだけを送ります。報告用にすべてを複製すると、更新時間と容量が増えます

キューブやディメンションの数の上限は、サービスとアプリケーションの種類で異なります。公式のガイドで確認してください。

標準ディメンションは Account・Entity・Period・Years・Scenario・Version で、多通貨なら Currency が加わります。ほかにカスタム・ディメンションと属性ディメンションがあります。

項目 設計の考え方
Account 勘定タイプ(収益・費用・資産・負債・資本・保存仮定)、期間集計の方法(期中の合計か期末残高かなど)、差異の符号(費用か非費用か)を持つ。GL の細かい科目は、計画科目にまとめる
Entity 計画と承認の単位。組織図に合わせるか、管理会計の階層にするか。期中の組織変更は、別の階層(共有メンバー)やバージョンで過去と比較できるようにする
Scenario・Version シナリオは目的(実績・予算・予測)、バージョンは版(作業中・確定・修正案)。承認の対象と、入力の可否に関わる
Period・Years 会計年度の開始月と期間の構成は作成時に決める。年度は運用で追加する
カスタム 製品・プロジェクト・地域など、分析に必要な軸だけにする
属性・Smart List・別名 属性ディメンションは分析用の属性。Smart List は入力の選択肢。別名テーブルには日本語名と英語名を持たせる

Fusion の COA との対応表を、最初に作ります(例:架空)。

COA のセグメント Planning 側 設計の考え方
会社 Entity(上位) 法人単位の計画。FCC・連結との整合を取る
部門 Entity(下位)または Department 承認単位と入力単位を決めて、階層の深さを抑える
勘定科目 Account 計画科目に集約。実績ロード時にマッピングする
製品 Product 計画の粒度を決める
会計期間・年度 Period・Years 期間のキーを GL のカレンダーと合わせる

BSO のキューブは、密ディメンションの組合せを 1 つのデータブロックにまとめ、疎ディメンションのメンバーの組合せごとにブロックを作ります。

区分 考え方 例(一般的な設計)
密(dense) ほとんどの組合せに値が入る軸 Account、Period
疎(sparse) 値のある組合せがまばらな軸 Entity、Scenario、Version、Years、Product
  • 密を増やすと、1 ブロックが大きくなり、保存と計算が重くなります。疎を増やすと、ブロックの数が増え、集計の対象が増えます
  • 疎ディメンションの上位メンバーを動的に計算する方法には、BSO のハイブリッド・モードがあります
  • メンバーの Data Storage には、Store Data、Dynamic Calc、Dynamic Calc and Store、Shared、Never Share、Label Only があります。Dynamic Calc は保存せず、参照時に計算します
  • 一般的な既定の設計は上の表のとおりですが、実際はデータの密度で決めます。既定値と目安は、公式の Administering Planning で確認してください
手段 用途 向く場面・注意
Data Integration Fusion GL などの外部、EPM アプリ間 月次の実績取込。マッピングを管理できる
Import Data、EPM Automate の importData ファイルのロード 移行、夜間バッチ、小規模のロード
フォーム・Smart View ユーザーの入力 予算・予測の入力
Groovy ルール+REST 外部システムからの取得 複雑な連携。保守性に注意
データマップ・Smart Push キューブ間のデータ移動 入力用から報告用へ

実績ロードの設計ポイントです。

  1. COA のセグメントを Planning のディメンションにマッピングします(Fusion GL を接続元に登録する手順は EPM データ統合 と R2R)
  2. 期間・シナリオ・バージョンの対応を先に決めます。実績はシナリオ「実績」に入れ、入力はアクセス権限で止めます
  3. ロード前に、対象の期間・シナリオのデータをクリアして置き換えるかを決めます
  4. ロード後は、GL の試算表と Planning の合計を照合します
  • 対応する試験と分野:EPM Planning 模擬テスト の「全体像とビジネスプロセス」「Planning Modules」「ディメンション・メタデータ・キューブ設計」「データのロードと統合」
  • Planning の作成オプションは Custom、Modules、Sales Planning、Strategic Workforce Planning、Cash Forecasting、サンプル(Vision)、Migrate。FreeForm は 26.09 以降、別のビジネスプロセス
  • Modules は Financials・Workforce・Capital・Projects・Strategic Modeling。要件と対応づけられるようにする(人員と報酬は Workforce、設備投資は Capital、長期のシナリオ分析は Strategic Modeling)
  • 作成を始めると、別のビジネスプロセスを作るには環境のリセットが必要
  • 密・疎の考え方と、BSO と ASO の役割分担、データマップと Smart Push の違い

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