機能設定マネージャ(FSM)とセットアップデータの移行
FSM を構成する要素
Section titled “FSM を構成する要素”機能設定マネージャ(Functional Setup Manager:FSM)は、Fusion の設定作業を管理する仕組みの総称です。
| 要素 | 説明 |
|---|---|
| オファリング(Offering) | Fusion が支える業務プロセスのまとまり。実装の出発点(例:Financials、Procurement) |
| 機能領域(Functional Area) | オファリング内のサブプロセス。コアの機能領域は自動で有効になり、任意のものはオプトインする。複数のオファリングで共有される機能領域もある |
| フィーチャー(Feature) | 機能領域の中で選べる業務のやり方。Yes or No、Single Choice、Multi-Choice の 3 種類 |
| 設定タスク(Setup Task) | 取引を処理できる状態にするための設定作業(例:支払条件の定義) |
| タスク・リスト | 設定タスクを機能領域の階層に沿ってまとめたもの |
| 実装プロジェクト | タスク・リストを生成し、担当者への割当と進捗管理を行う単位 |
My Enterprise の作業領域
Section titled “My Enterprise の作業領域”ナビゲータ > My Enterprise の下に、FSM 関連の作業領域がまとまっています。
| 作業領域 | 用途 |
|---|---|
| Offerings | オファリングの内容を確認し、オファリング・機能領域・フィーチャーにオプトインする |
| New Features | 最新のアップデートで追加された機能を確認し、オプトインする |
| Feature Updates | 将来動作が変わる予定の機能を確認する |
| Enterprise | 企業全体の環境レベルの設定 |
| Setup and Maintenance | オファリングの設定、既存の設定データの更新、実装プロジェクトの管理 |
設定・実装の手順
Section titled “設定・実装の手順”オファリングと機能領域にオプトインする
Section titled “オファリングと機能領域にオプトインする”権限 Configure Oracle Fusion Applications Offering(ASM_CONFIGURE_OFFERING_PRIV)が必要です。
- ナビゲータ > My Enterprise > Offerings を開き、実装するオファリングを選びます
- Opt In Features をクリックし、Opt In ページで、使うオファリングと機能領域の Enable を選択します
- Features 列のアイコンから Edit Features ページを開き、フィーチャーを有効にします。Single Choice や Multi-Choice は選択肢を選びます
- Enable のチェックボックスがないフィーチャーは、Opt In Task 列のタスクから有効化します
- Done で保存します。使うオファリングごとに繰り返します
四半期アップデートの後は、ナビゲータ > My Enterprise > New Features で新機能を確認します。Allows Opt-In が空欄の機能は、一度有効にすると無効に戻せません。Requires Setup で設定作業の有無を、Changes To/Changes In で将来の動作変更の予定を確認できます。
方法 1:機能領域から設定する
Section titled “方法 1:機能領域から設定する”- ナビゲータ > My Enterprise > Setup and Maintenance を開き、オファリングを選びます
- 機能領域を選び、表示されたタスクを開きます。機能領域がわからないタスクは検索から開けます
- スコープ(Scope)が必要なタスクでは、対象の値(例:BU や元帳)を選んで Apply and Go to Task をクリックします。選んだスコープは、同じスコープを使う他のタスクにも引き継がれます
方法 2:実装プロジェクトで設定する
Section titled “方法 2:実装プロジェクトで設定する”実装プロジェクト(Manage Implementation Projects)は、多くの担当者で分担して設定し、進捗を管理したいときに使います。
- 有効なオファリングから作成します。コアの機能領域は自動で選ばれ、任意の機能領域を追加できます
- タスクは前提条件と依存関係の順に並びます。並び順どおりに入力するとエラーを避けられます
- タスクやタスク・リストを担当者に割り当て、期日を設定して進捗を確認します
- 複数のオファリングを使う場合は、オファリングごとに実装プロジェクトを作ります。複数のオファリングを含む実装プロジェクトでは、セットアップデータのエクスポート/インポートが失敗します
- 作成後の実装プロジェクトは元のオファリングと連動しません。タスクを削除しても、入力済みの設定データは消えません
方法 3:Rapid Implementation とスプレッドシート
Section titled “方法 3:Rapid Implementation とスプレッドシート”初期構築では、スプレッドシートでまとめて作成する手段があります。
- 財務では、Define Financials Configuration for Rapid Implementation タスク・リストの Create Chart of Accounts, Ledger, Legal Entities, and Business Units in Spreadsheet で、COA・元帳・法的エンティティ・BU を一括作成できます(エンタープライズ構造)。初期作成専用で、作成後の変更は個別タスクで行います
- 一部の設定タスクは ADFdi のスプレッドシートで一括入力できます(ADFdi とその他のインポート手段)
方法 4:CSV ファイル・パッケージで一括登録・更新する
Section titled “方法 4:CSV ファイル・パッケージで一括登録・更新する”大量の設定データを登録・更新するときは、CSV ファイル・パッケージを使います。ロール Export Import Functional Setups User(ORA_ASM_FUNCTIONAL_SETUPS_USER_ABSTRACT)と、対象タスクの権限が必要です。
- Setup and Maintenance でオファリングを選び、オファリング・機能領域・タスクのいずれかで Actions > Export to CSV File を選びます
- Create New で出力します。スコープで絞り込めるほか、Export only template files で空のテンプレートだけを出力できます
- 出力された ZIP(ビジネス・オブジェクトごとの CSV)を編集します
- Actions > Import from CSV File から ZIP を取り込み、Status Details でエラーを確認します
編集時の注意点は次のとおりです。
- 日付・数値の書式は出力されたときのまま維持します
- CSV ファイルを ZIP から削除しません。取り込まない場合も、ヘッダー行だけ残します
- 各 CSV は 10 MB 未満にします
- 日本語などの非ラテン文字は UTF-8 で保存します。Excel で開き直すと文字化けや書式崩れが起きやすいため、公式ドキュメントの手順に従います
環境間の設定移行(構成パッケージ)
Section titled “環境間の設定移行(構成パッケージ)”構成パッケージ(Configuration Package)は、設定データを環境間で移すための入れ物です。中身は、対象の設定タスクの一覧、関連するビジネス・オブジェクト、その設定データです。
| 方法 | 単位 | 制約 |
|---|---|---|
| オファリング/機能領域 | オファリング全体または機能領域 | 同じオファリング/機能領域でインポートする |
| 実装プロジェクト | 実装プロジェクトのタスク | 実装プロジェクトでインポートする。1 オファリングのみ |
2 つの方法は混在できません。オファリングで出力したパッケージは、オファリングでしか取り込めません。
エクスポートの手順(オファリング単位)
Section titled “エクスポートの手順(オファリング単位)”- Setup and Maintenance でオファリングを選び、ページ上部の Actions > Export を選びます(機能領域単位の場合は機能領域の Actions から)
- Create New をクリックします。必要ならビジネス・オブジェクトごとにスコープ値を追加して絞り込みます
- Submit で処理を開始し、状況を確認します
- 結果が Ready to download になったら Download File で ZIP を保存します。表示される事後タスク(エクスポート/インポートで移らないタスク)は、移行先で手作業で設定します
- Ready for error review の場合はログを確認し、原因を直してから再出力します
- 移行先の環境で同じオファリングを選び、インポートします。取込前に構成パッケージと移行先の設定データを比較できます
何が移り、何が移らないか
Section titled “何が移り、何が移らないか”- 既定では、ビジネス・オブジェクトのすべての設定データが出力されます。ただし、Oracle 提供(ready-to-use)のデータは、変更していなければ出力されません
- ユーザー・レベルのプロファイル値は出力されません
- 翻訳データは CSV ファイル・パッケージでは移せません。XML 形式の通常のエクスポート/インポートを使います
- インポート時、移行先にないレコードは作成され、属性が異なるレコードは更新されます。移行先だけにあるレコードは削除されません
- 参照データセット、参照タイプ、ツリー、値セット、フレックスフィールドなどの共通オブジェクトは、他のデータより先に処理されます
- オファリング単位のインポートでは、移行元のオプトイン構成を取り込むかを選べます
複数のオファリングを同時に本番へ取り込む場合は、公式ドキュメントの順序(Financials → Procurement → Project Financial Management → SCM 系のオファリング など)に従い、依存関係のエラーを避けます。
移行の流れ(Gold 環境を使う場合)
Section titled “移行の流れ(Gold 環境を使う場合)”Gold 環境で設定 → エクスポート(構成パッケージ .zip)→ テスト環境へインポート → 検証 → 修正があれば Gold で直して再エクスポート → 検証完了後、Gold からエクスポート → 本番へインポート(取込前に比較)テスト環境や Gold を本番に合わせたいときは、本番からのリフレッシュ(P2T)を使う設定移行の管理表(CSV の例)
Section titled “設定移行の管理表(CSV の例)”構成パッケージはソース管理し、どの変更を本番に入れたかを記録します。
PackageFile,Method,Offering,FunctionalArea,Scope,Source,Target,ImportedOn,PostImportTasks,ResultFIN_20261005_v1.zip,Offering,Financials,,,GOLD,TEST,2026-10-05,税の手作業設定,OKFIN_20261012_v2.zip,FunctionalArea,Financials,Payables,BU=JP01,GOLD,PROD,2026-10-12,なし,OK落とし穴とベストプラクティス
Section titled “落とし穴とベストプラクティス”- 移行元と移行先のリリース(アップデートのレベル)が同じことを確認してから移行します
- 設定の正となる環境(Gold 環境、なければテスト環境)を決め、変更は必ずそこで行います
- 本稼働後の追加変更は、スコープで対象を絞って差分だけを移します
- エクスポート/インポートの対象外のタスクは、公式ドキュメントのタスク一覧で事前に確認し、手順書に手作業として明記します
- 似た構成(例:新しい BU)を作るときは、既存の設定を複製する Copy Setup Configuration も検討します
- FSM で移らない構成(ページの変更、サンドボックス、Visual Builder Studio の拡張など)の移行は 環境管理・四半期アップデート・テスト を参照してください
試験対策ポイント
Section titled “試験対策ポイント”- 各実装試験(GL・AP・AR・調達・在庫・受注)で、オファリングと機能領域のオプトイン、実装プロジェクト、設定データの移行は共通の前提として出題されやすい分野です
- 覚えるべき用語:Offering、Functional Area、Feature(Yes or No/Single Choice/Multi-Choice)、Opt In Task、Scope、Implementation Project、Configuration Package
- 判断ポイント:「エクスポートとインポートは同じ方法」「実装プロジェクトでの移行は 1 オファリングのみ」「ユーザー・レベルのプロファイル値は移らない」「インポートは削除しない」
公式ドキュメント
Section titled “公式ドキュメント”- Using Functional Setup Manager(26D)
- How Functional Setup Manager Components Work Together
- Functional Setup Manager Work Areas
- Configure Offerings
- Opt In To New Features After Update
- How You Use Implementation Projects to Manage Setup
- Export and Import CSV File Packages
- Overview of Setup Data Export and Import
- Key Information About Setup Data Export and Import Processes
- Export Setup Data Using Offering or Functional Area
- Best Practices for Migrating Setup Data from Test to Production
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