Visual Builder Studio の基本(プロジェクト・ワークスペース・Git・公開)
VBS の構成要素
Section titled “VBS の構成要素”| 要素 | 役割 | ポイント |
|---|---|---|
| 組織・プロジェクト | チーム、Git リポジトリ、ビルド、環境をまとめる入れ物 | 所有者(Owner)がメンバー追加やマージ制限を管理する |
| Git リポジトリ | 拡張のソース(JSON・JavaScript など)を保存 | 1つの App UI の変更は1つのリポジトリにまとめるのが推奨 |
| ワークスペース | 自分専用の作業場所 | Git のブランチ、配布先の環境、(任意で)サンドボックスを決める |
| Designer | ブラウザ上の開発画面 | Express モード(機能管理者向け)と Advanced モード(開発者向け) |
| 環境(Environment) | 配布先の Oracle Cloud Applications インスタンス | 既定で Development 環境が作られ、Publish の配布先になる |
| ビルド(ジョブ・パイプライン) | パッケージ作成とデプロイの自動化 | パッケージ・ジョブで成果物を作り、デプロイ・ジョブで配布する |
| 拡張(Extension) | 配布の単位 | 既存アプリへの構成、自作の App UI、共有リソース(サービス接続など)を含む |
プロジェクトには、マージ・リクエスト(コードレビュー)、課題管理(Issues)、ボード、Wiki などのチーム開発機能もあります。表示される機能はプロジェクトの種類と権限によって異なります。
ワークスペースとリポジトリの関係
Section titled “ワークスペースとリポジトリの関係”ワークスペースは「完全に自分専用の作業場所」です。Designer で拡張を触る前に、必ずワークスペースを選ぶか作ります。
プロジェクト ├─ Git リポジトリ(リモート)── main ブランチ = 公開済みの拡張 ├─ 環境:Development(開発用 Fusion)/Test/Prod └─ ビルド:パッケージ・ジョブ → デプロイ・ジョブ(パイプライン)
ワークスペース(ユーザーごと・自分だけ) ├─ ローカル・リポジトリ(リモートのクローン)+ 作業ブランチ ├─ 配布先の環境(例:Development) └─ サンドボックス(任意。未公開のデータモデル変更を使うとき)- 変更は、リポジトリにマージする・共有(Share)する・公開(Publish)するまで、他のメンバーには見えません。
- VBS インスタンスは環境ファミリー内の各インスタンス(DEV、TEST など)に紐付き、インスタンスごとにユーザーの ID も別になります。そのため、ワークスペースもインスタンスごとに持つことになります。
- 同じファイルを複数のワークスペースで触る場合は、片方で公開・マージしてから切り替えると競合を避けられます。
Fusion 環境との接続(ID の伝播)
Section titled “Fusion 環境との接続(ID の伝播)”環境の Fusion インスタンスは、ID ドメイン(Identity Domain)の方式で接続するのが推奨です。この方式では REST 呼び出しがログイン中のユーザーの ID で行われます。Basic 認証や OAuth で接続すると、接続を作成したユーザーの ID で呼び出されるため、一部の操作が失敗する原因になります。
設定・実装の手順
Section titled “設定・実装の手順”- Fusion の画面から入る(Redwood ページの拡張):拡張したい Redwood ページを開き、ユーザー名のメニュー(Settings and Actions)から Edit Page in Visual Builder Studio を選びます。
- プロジェクトを選びます(Recommended のバッジ付きが推奨)。メンバーでなければ Request Membership で参加を申請します。プロジェクトがなければ + Create で作成し、作成者が所有者になります。
- ワークスペースは自動で作られます。名前は
Workspace PILLAR(例:Workspace CX)の形式で、同じピラー(製品群)のページは同じリポジトリとワークスペースを共有します。
- VBS から入る(新しい App UI の作成):プロジェクトの Workspaces タブで New > New Application Extension を選びます。
新しい拡張を作る(VBS から入る場合)
Section titled “新しい拡張を作る(VBS から入る場合)”前提として、プロジェクトに Development 環境が定義され、有効な Fusion インスタンスを指している必要があります。
- Workspaces タブで New > New Application Extension を選びます。
- 拡張の名前を入力します。短く意味のある名前にし、「extension」や「UI」「app」のような一般的な語は避けます。
- 必要なら extension ID(
site_が接頭辞として付く)とワークスペース名を変えます。 - 必要なら Root Folder(既定
extension1)を変えます。リポジトリ内のこのフォルダに拡張のファイルが置かれます。 - Development Environment を選びます。Basic 認証・OAuth で接続した環境は一覧に出ません。
- 未公開のサンドボックスのデータモデル変更を使うなら、sandbox を選びます。
- Create new repository でリポジトリとブランチの名前を入れます。試すだけなら Use Scratch repository を選べます(自分にしか見えず、Git 操作やビルド・ジョブ、パイプラインは作られません)。
- Create をクリックします。作成後は Menu > Settings で説明を書いておくと、他の人が依存関係として追加するときに役立ちます。
新しい App UI は、自作の App UI のベースとなる Unified Application の上に作られます。
拡張のライフサイクル(Redwood ページの構成)
Section titled “拡張のライフサイクル(Redwood ページの構成)”Oracle の公式ドキュメントが示す流れを、実務の言葉で整理すると次の通りです。
- データモデルを準備する:必要な項目の追加(サンドボックスでの変更など)を先に済ませます。
- Designer を開く:Edit Page in Visual Builder Studio からプロジェクトとワークスペースを選びます。
- 構成する:拡張できるコンポーネントは青い枠で表示されます。プロパティ・ペインやルール・セット・エディタで変更します。
- プレビューする:Designer のヘッダーの Preview で、ブラウザでの見え方を確かめます。
- 共有する:Menu > Share でプレビュー URL を作り、レビュー担当に送ります(サンドボックスを使う場合はその名前も伝えます)。
- コミット・プッシュする:ヘッダーの Git メニューでリモートのブランチへ反映します。
- マージ・リクエストを作る:レビューと承認を受けます。所有者はマージ・リクエストとレビューを必須にできます(main ブランチのマージ制限)。
- マージしてデプロイする:main にマージし、配布先へデプロイします。Publish を使うと、コミット・プッシュ・マージ・デプロイを1回で行えます。
- 結果を確認する:Fusion で画面を開いて確認します。最新の変更を見るには、サインアウトして再度サインインが必要な場合があります。
Publish の動きとパイプライン
Section titled “Publish の動きとパイプライン”Publish は、現在のブランチの変更をターゲット・ブランチ(既定は main)のローカル・ブランチにコミットし、リモートへプッシュし、その内容をデプロイします。
| 設定 | 動き | 向いている場面 |
|---|---|---|
| Enable CI/CD pipeline がオフ(既定) | Publish でワークスペースの開発環境へ直接デプロイ | 開発中の確認を早く回したい |
| オン | パッケージ・ジョブが成果物を作り、デプロイ・ジョブが配布。テスト環境・本番環境への配布も構成できる | テスト・本番への昇格、追加ジョブの自動実行 |
- 25.01.1 以降に Edit Page in Visual Builder Studio から作ったワークスペースと、25.10 以降に New Application Extension から作ったワークスペースでは、パイプラインは既定でオフです。既存の拡張は従来の設定のままです。
- 設定はブランチ単位で、そのブランチへ公開する全員(Express モードの利用者を含む)に影響します。むやみに切り替えないようにします。
- パイプラインがオフの場合、Publish は即座にデプロイするため、公開の途中でマージ・リクエストを作る機会がありません。レビューが必要なら、Publish の前にマージ・リクエストを作ります。
- Publish がデプロイするのは、公開元のブランチだけです。他の作業ブランチの変更も含めたいなら、先にターゲット・ブランチへマージしておきます。
テスト・本番への昇格
Section titled “テスト・本番への昇格”- Advanced モード:Deploy でリモート・ブランチと配布先の環境(Target Environment)を選んでデプロイできます。
- 拡張ライフサイクル管理:Designer のヘッダー・メニューの Extension Lifecycle で Manage Extension Lifecycle ページを開き、拡張の Deploy to Environment で配布先の環境を選びます。一覧にない環境は Add Environment でベース URL と資格情報を登録します。Delete Extension で削除すると、そのインスタンスは拡張前の状態に戻ります。
- 配布先は開発環境と同じ Fusion リリースである必要があります。ずれていると「Dependent Extension with Extension id: xxxx and version >=xxxxx doesn’t exist」のようなエラーになることがあります。テストが先に更新される期間は、本番の更新を待ちます。
Designer の画面構成
Section titled “Designer の画面構成”| 領域 | 主な要素 |
|---|---|
| ヘッダー | ワークスペース、Git リポジトリとブランチ(未コミットがあると黄色の点)、元に戻す・やり直し、サンドボックス、通知、Preview、Publish、Menu(Share・Import・Export・Settings) |
| ナビゲータ | App UIs、Layouts、Services、Dependencies、Components、Translations、Source、Git |
| キャンバス・エディタ | Page Designer、アクション、イベント・リスナー、変数、JSON、JavaScript など |
| プロパティ・ペイン | 選択した部品の見た目と動作。表やリストでは Quick Start タブ |
| フッター | Audits(監査)、Find in Files、Git History、Logs、Tests |
一部の Fusion ページでは、ヘッダーに Express|Advanced の切替が表示されます。HCM・SCM・調達(Procurement)の Redwood ページは Express モードのみをサポートします(26C 時点の公式ガイド)。
拡張の設定(Settings)
Section titled “拡張の設定(Settings)”Menu > Settings で、拡張全体の設定を確認・変更します。主な項目は次の通りです。
- Extension ID(
site_で始まる内部 ID)、Extension Name(依存関係の一覧に出る名前)、Version - Extension Pillar(CX、HCM などの製品群)と Extension Pillar Subcategory(CX のときの CX Sales・CX Service・CX Marketing)
- Pillar Theme(App UI のカラーテーマ)
- Unified Application のバージョン(実行時の依存関係を決める。Oracle JET のバージョンと合わせて使える機能が決まる)
- Target Branch、Create CI/CD Pipeline、Enable CI/CD pipeline
レビュー担当がローカルで差分を確認する
Section titled “レビュー担当がローカルで差分を確認する”VBS の Git リポジトリは通常の Git として扱えます。クローン用の URL と認証方法は、プロジェクトの Git 画面で確認してください(以下の URL は例)。
git clone "https://<your-vbs-host>/<path-to-repo>/extensions-scm.git"cd extensions-scm
# リモートのブランチ一覧# (Publish のたびに作られる <ユーザー名>-<タイムスタンプ> 形式のブランチが含まれることがある)git fetch origingit branch -r
# main と作業ブランチの差分(変更ファイルの一覧)git diff --stat origin/main...origin/<feature-branch>マージ・リクエストの説明テンプレート
Section titled “マージ・リクエストの説明テンプレート”マージ・リクエストの説明には、レビュー担当が動きを確かめられる情報を入れます。Share で作ったプレビュー URL を貼るのが公式にも推奨されています。
## 変更内容- 対象ページ:購買依頼(Redwood)- 変更:JP01 営業単位のとき、DFF「検収担当」を必須にするフォーム・ルールを追加
## 確認方法- プレビュー URL:<Share で作成した URL>- サンドボックス:なし- テストデータ:JP01 と US01 の営業単位で1件ずつ
## 影響範囲- 同じビジネス・オブジェクトを使う他のフォームにも適用される(ビジネス・ルールはオブジェクト単位)以前のバージョンに戻す(ロールバック)
Section titled “以前のバージョンに戻す(ロールバック)”公式ドキュメントでは、まず以前のビルド成果物を再デプロイする方法を勧めています。成果物がない場合は、次の回避策があります(Advanced モード)。
1. Designer でブランチを以前のバージョン(<ユーザー名>-<タイムスタンプ>)へ切り替える (Create new branch based on parent branch を選ぶ)2. 新しいブランチをリモートへプッシュする3. Builds で拡張のパッケージ・ジョブに Branch パラメータを追加する(既定値は main のまま)4. パッケージ・ジョブを手動実行し、Branch に新しいブランチ名を入れる → 成果物が作られ、デプロイ・ジョブが自動で動く落とし穴とベストプラクティス
Section titled “落とし穴とベストプラクティス”- プロジェクトは環境ファミリー(開発・テスト・本番)ごとに1つ、リポジトリはピラー(HCM、CX など)ごとに分けるのが公式の推奨構成です。
- 拡張は App UI 単位ではなく、拡張全体として管理・配布されます。特定の App UI だけを別に公開したい場合は、ブランチを分けて個別に公開します。
- main ブランチにマージ制限を設定し、マージ・リクエストのレビューを必須にします。
- 公開後に画面が変わらない場合は、サインアウトして再度サインインします。それでも変わらなければ、デプロイ・ジョブのログ(フッターの Logs)を確認します。
試験対策ポイント
Section titled “試験対策ポイント”- 対応する試験:Redwood 模擬テスト の「VBS による Fusion アプリ開発(Developing Fusion Apps with Visual Builder Studio)」「VBS による Fusion Cloud 拡張の構成」
- ワークスペースが決めるもの:Git リポジトリとブランチ、配布先の環境、サンドボックス(任意)。ワークスペースは自分専用。
- Publish = コミット・プッシュ・マージ・デプロイ。パイプライン無効(既定)なら開発環境へ直接デプロイ。テスト・本番へはパイプラインか Manage Extension Lifecycle。
- 配布先は同じ Fusion リリースであること。
- スクラッチ・リポジトリ(自分だけ・Git 操作なし・ビルドなし)、extension ID の
site_接頭辞、ルート・フォルダextension1。 - 依存関係(Dependencies)は App UI 単位ではなく拡張単位で追加する。
公式ドキュメント
Section titled “公式ドキュメント”本サイトは学習目的で個人が作成した非公式の教材であり、Oracle Corporation およびその関連会社とは関係ありません。内容の正確性は保証しません。最新の仕様・試験範囲は必ず公式ドキュメントと Oracle University の情報で確認してください。
模擬テストの問題は公開されている出題範囲(Exam Topics)と公式ドキュメントをもとに独自に作成したもので、実際の試験問題ではありません。
Oracle、Java、MySQL は Oracle Corporation およびその子会社、関連会社の米国およびその他の国における登録商標です。その他の製品名・会社名は各社の商標です。
© 2026 Fusion ERP 実装ラボ