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保全資産・作業オーダー・予防保全

保守の流れ(資産から原価まで)
保全資産 ── 論理階層・資産グループ・メーター
標準作業 → 作業定義 ─┐
├→ 保守プログラム(作業要件)→ 予測 → 作業オーダー(Preventive)
依頼・障害・元ドキュメント ──────────────────→ 作業オーダー(Corrective)
作業オーダー → 計画(スケジュール・割当・材料)→ 実行(ディスパッチリスト)
→ 完了・クローズ → 原価管理 → SLA → GL

組織・マスタ・他モジュール連携は 保守の全体像 にまとめています。この章は、資産・作業オーダー・予防保全の中身を扱います。

公式ガイドの資産(Asset)は、Installed Base(IB)の資産を基にした保守対象の個体です。品目とシリアルで管理します。作り方は 3 通りです。

作り方 内容 補足
画面 Manage Assets で作成・編集 属性の追加はフレックスフィールド、Application Composer
在庫への受入で自動作成 資産ライフサイクル管理との統合。購買品・製造品・その他受入が対象 保守の対象になるのは、品目が保守対象としてマークされている資産のみ
インポート FBDI の Import Installed Base Assets(ジョブ Import Assets)、REST の maintenanceAssets 部品リスト・チャージ・資産グループの関連付け、資産間の関係も取り込める

資産の「Allow work orders」をオフにすると、作業オーダーを作れなくなります。設備の資源インスタンスに資産を関連付けるには、資産が保守組織に対応するロケーションに、ロケーション種別 Work Center で定義されている必要があります(設備の資格を使うなら資産番号の関連付けも必要)。

論理階層・資産グループ・メーター

Section titled “論理階層・資産グループ・メーター”
  • 論理階層:Hierarchy Navigator で、資産をプラント・生産ライン・車両群・顧客・ロケーションとしてまとめて見られます(作成は Create Logical Hierarchy)
  • 資産グループ:Manage Asset Group Rules で資産グループとルールを定義し、資産を関連付けます
  • メーター:メーターテンプレート(Manage Meter Templates)で品目の適用条件を決めると、資産の作成時に自動で関連付けられます。既存資産への一括関連付け、読取の記録、読取のインポート・エクスポートも公式ガイドの章にあります
  • ワランティ:サプライヤー保証のカバレッジ、契約、クレーム、工賃の償還レート、標準修理時間を管理します

保全資産は「保守する個体」(メーター・論理階層・作業オーダー・保証の単位)、固定資産は「会計上の資産」(取得原価・償却・除却の単位。Mass Additions → Post Mass Additions で作る)です。粒度は一致するとは限りません。両者を結び付ける手順(IB の資産と固定資産の接続、購買受入時の固定資産化、終了後の同期)は、公式ガイドの Chapter 3 にあります。整理は 保守の全体像 と 固定資産の全体像 を参照してください。

26B の公式概要で説明されている作業オーダーの種類は 2 つです。

種類 用途 補足
Preventive(予防保全) 資産の計画保全を始める 作業定義を参照してもしなくてもよい。保守プログラムの予測から作る
Corrective(是正保全) 資産のオンデマンド修理を始める 作業定義の有無は問わない。状態基準保全にも使える

作業オーダーは次の要素で構成されます。ヘッダー(作業内容、対象資産、優先度、開始・完了日、保証修理、修理の主な理由)、オペレーション(手順の順序と、資源・材料の要件)、材料、資源(各オペレーションに割り当てた作業中心が資源プールを提供)、例外、元ドキュメントの参照、履歴です。ステータスは設定タスク Manage Work Order Statuses で管理します。

  • 作成元:Manage Maintenance Work Orders の画面、保守プログラムの予測、インポート(Import Maintenance Work Orders)、REST です。ヘルプデスク、サービスリクエスト、受注、返品承認(RMA)などの元ドキュメントから REST で作ることもできます。操作・材料・資源は、作業定義か標準作業から引き継ぐか、手で入力します
  • カウントポイント:カウントポイントのオペレーションが 1 つ以上必要で、最後のオペレーションは必ずカウントポイントです。順序どおりに報告・完了します。ヘッダーの指示項目で順序外の完了を許可できますが、その場合は My Maintenance Work ページの使用が必須です
  • 複数資産:同じ品目の複数の資産を 1 枚で修理するときは、品目に対して作業オーダーを定義し、シリアル管理の資産を 1 つ以上関連付けます。ヘッダーに品目と数量、資産の一覧は別タブに出ます。資産ごとに保証修理かどうかを選べます
  • 在庫へ戻す修理:資産を払い出して修理し、在庫へ戻す場合は、ヘッダーの指示項目と完了サブインベントリ(ロケータ管理なら返却ロケータ)を設定します
  • 作業オーダー・グループ:OEM 部品交換、プラント停止、フリート全体のキャンペーンなどを共通の識別子でまとめます。1 つの作業オーダーが属せるのは 1 グループで、スケジュールの依存関係は作りません(Manage Groups)
  • プロジェクト:プロジェクト追跡組織では、プロジェクトを関連付けられます(必須ではありません)

保守プログラムとメーター・ベースの予防保全

Section titled “保守プログラムとメーター・ベースの予防保全”
要素 内容
保守プログラム 対象資産の日次の予防保全(PM)予測を定義・生成する。保守組織の文脈で作る
作業要件(Work Requirement) 作業定義をまとめ、予測方法と頻度を決める。対象は資産、品目、資産のリスト(混合資産。オプトイン)、アセットルート
作業定義 OEM のサービス間隔のタスクを変換したもの。頻度・資源・材料・手順を持つ
カレンダーパターン 予測方法の 1 つ。同じプログラムの複数の作業要件に関連付けられる
メーター 利用メーターを使う場合、履歴の読取が必要
アセットルート 資産の集合を 1 つのルート資産で代表させ、1 枚の作業オーダーで計画・実行・記録する
  • 予測方法はカレンダーパターン、日数間隔、利用メーターです。Calendar と Meter、日数間隔と Meter を併用すると、先に期限が来た方が適用されます
  • 条件イベントだけを定義した作業要件は予測されません
  • 開始日は予測期限を計算する最初の日付です。通常は将来の日付で、サイクル・ベースの間隔の順序をそろえるために過去の日付にすることもあります
  • 同じサイクルで間隔が重なるときは、抑制(suppress)か統合(merge)を選べます。作業要件の内部だけで使い、作業要件をまたぐ設定は無効にするのが推奨です
  • 次回の期限は最終完了日を基に計算するのが推奨です。作業が次の間隔を超えたら、再計算で将来の期限を後ろへずらせます

メーター・ベースを動かす条件

Section titled “メーター・ベースを動かす条件”
  1. 履歴の読取を入れる:特に、過去の完了日と同じ日付の読取を入れます。読取がないと、予測は基準を作るために過去へ計算し直され、期限超過の予測行が出ます。読取は FBDI の Import Meter Readings(増分可)や REST で取り込めます
  2. 資産を初期化する:最終完了日と間隔、予測開始日を設定します。予測開始日を今日以降にすると、予測が安定しやすくなります
  3. 作業要件の粒度:個別資産の作業要件のほうがメーター履歴を見やすく、モデル化しやすくなります。品目ベースでもメーターは使えますが、履歴が見えにくく、初期化と検証の手間が増えます
  4. メーターテンプレート:資産の作成時に自動で関連付けるなら、資産より先に作っておきます
  1. 作業要件を Draft で作り、予測方法・対象資産・作業定義を設定します。Active になります(Ready to Forecast をオプトインしていると、プレビュー後に計画へ解放して Active)
  2. Generate Maintenance Forecast を実行します。プログラム全体はスケジュール実行が推奨です。作業要件や単一資産だけの生成は、管理者が Allow Suppress and Merge across Work Requirements を No にしている場合に、プログラムのページから実行できます
  3. Manage Forecasts で、Gantt またはカレンダーで確認します。代替日の要求、期限日のスキップ、作業オーダーの作成・取消ができます
  4. Generate Maintenance Work Orders で作業オーダーを作ります。予測を確認したあと、頻繁にスケジュール実行するのが推奨です
  1. 材料の準備:材料は通常、作業オーダーの供給保管場所から払い出します。中央倉庫にある場合は、Pick Materials for Work Orders が手持数量を見て移動要求を作ります。引当には、品目数量単位の高レベル引当と、保管場所のシリアル・ロット単位の詳細引当があります。リリース前に確保して、設備の停止を減らします
  2. 操作・材料・資源の報告:ディスパッチリストから、操作の完了(Quick Complete/Complete with Details)、材料、資源のトランザクションを報告します。技術者は My Maintenance Work ページで、作業の確認、報告、完了、サービス履歴の確認ができます。履歴は残り、いつでも確認できます
  3. 例外:資材不足や資源の不在などを、ディスパッチリストまたは Manage Maintenance Exceptions で報告します。関係者に通知され、解決後に閉じます。作業オーダーの Exceptions タブで確認できます
  4. 故障の記録:ヘッダーから、資産の故障イベントを作れます。停止の有無、故障の詳細、原因、解決策を残します(Failure Tracking)
  5. 完了・クローズ:最後のカウントポイントまで完了を報告します。保証修理は、保証クレームの対象にできます。完了した作業オーダーは Close Maintenance Work Orders で一括クローズでき、クローズ後の原価も確認できます
  6. 原価:Transfer Transactions from Maintenance to Costing で、実績を原価管理へ渡します(原価管理)

外注工程と直接調達の流れは 保守の全体像 の「他モジュールとの連携」を、製造側の同じ仕組みは 作業オーダーの実行 を参照してください。

  1. 保守組織(作業区・資源・作業中心)を用意します(保守の全体像)
  2. ナビゲータ > Maintenance Management の Tasks から、Manage Meter Templates でメーターテンプレートを作ります
  3. 資産を用意します。受入で自動作成するか、FBDI で取り込みます。論理階層と資産グループを作ります
  4. 標準作業と作業定義を作ります
  5. 保守プログラムと作業要件を作り、資産ごとの最終完了日とメーター履歴を初期化します
  6. Generate Maintenance Forecast を実行し、Manage Maintenance Forecasts で確認します
  7. Generate Maintenance Work Orders を実行します
  8. 作業オーダーをリリースし、材料を手配して、実績報告 → クローズ → 原価転送まで通します

REST の接続先はプレースホルダです。リソース名は公式ドキュメントの URL(小文字表記)から確認したもので、フィールド名・フィルタ条件は REST API ドキュメントで確認してから使います。

作業オーダーと資産を REST で一覧する(例)
export BASE="https://<your-pod>.fa.<region>.oraclecloud.com/fscmRestApi/resources/11.13.18.05"
curl -s -u "$FUSION_USER:$FUSION_PASSWORD" \
"$BASE/maintenanceWorkOrders?limit=5&onlyData=true"
curl -s -u "$FUSION_USER:$FUSION_PASSWORD" \
"$BASE/maintenanceAssets?limit=5&onlyData=true"

実務では、ページング(offset・hasMore)と、500・502・503・504 の指数バックオフ再試行を入れます(REST の基本)。

FBDI で作業オーダーを取り込む流れ(例)
1. FBDI ガイドの Work Order Import のテンプレートに入力 → マクロで CSV を生成 → ZIP にする
2. ZIP をアップロードする
3. Load Interface File for Import を実行する(インターフェース表へ読み込む)
4. Import Maintenance Work Orders を実行する(バッチコードを指定。1 バッチ 10,000 件以下)
5. エラーを確認して修正し、再インポートする。残ったデータはパージ用のプロセスで整理する

落とし穴とベストプラクティス

Section titled “落とし穴とベストプラクティス”
  • 設備の台帳は、移行前に「資産の粒度」と「固定資産との対応」を決めます
  • 予測は、確認したうえで、予測と作業オーダー作成のスケジュールを組みます
  • 保守プログラムの対象は、最初は個別資産か小さな品目群で試し、予測を検証してから広げます
  • 対応する試験と出題範囲:保守 模擬テスト の「資産・資産グループ・メーター・保証」「保守プログラムと予防保全」「作業オーダーの管理と実行」
  • 作業オーダーの種類は Preventive と Corrective。状態基準保全は Corrective を使える。最後のオペレーションはカウントポイント
  • 予測方法は「カレンダーパターン・日数間隔・利用メーター」。併用は先に期限が来た方
  • 条件イベントのみの作業要件は予測されない。クロス組織の設定は最初の作業オーダー作成後に変更できない
  • Generate Maintenance Forecast → Generate Maintenance Work Orders。FBDI の作業オーダー履歴は予測が参照しない
  • 資産は在庫受入で自動作成できる(保守の対象は保守対象の品目のみ)。Equipment 資源インスタンスの資産は、ロケーション種別 Work Center が必要

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