経費(Expenses)
従業員:経費の入力(Web・モバイル・メール転送)、法人カード明細の取込 ↓ 提出承認:上長などの承認(承認ルール) ↓監査:経費監査担当(Expense Auditor)が監査ルールで選ばれた精算書を確認、領収書を管理 ↓ Process Expense ReimbursementPayables:支払依頼(Payment request)を作成 → 検証 → 支払(Payments)- 経費精算書(Expense Report)は経費明細(Expense Item)の集まりです。各明細は経費タイプを持ち、経費タイプから勘定科目・税・領収書要件が決まります
- 支払先の従業員は HCM の従業員情報(銀行口座を含む)を使います。仕入先として登録する必要はありません
経費テンプレートと経費タイプ
Section titled “経費テンプレートと経費タイプ”経費テンプレート(Expense Templates)
Section titled “経費テンプレート(Expense Templates)”- 関連する経費タイプのまとまりで、BU ごとに定義します(例:出張用、研修用、赴任用)
- 1 つの BU に複数のテンプレートを持てますが、BU をまたいで共有することはできません。複数の国で使う場合は BU ごとにテンプレートを作ります
- BU ごとに既定のテンプレートは 1 つだけです。既定にできるのは法人カードの経費タイプ・マッピング(Card Expense Type Mapping)を持つテンプレートで、最初に作ったマッピング付きのテンプレートが自動的に既定になります
- BU に経費テンプレートが 1 つもないと、その BU で Expenses を使えません
- テンプレートを廃止するときは Effective End Date を設定します。個々の経費タイプを無効にする運用のほうが一般的です
経費タイプ(Expense Types)
Section titled “経費タイプ(Expense Types)”経費タイプは「宿泊 → ホテル」のような細かい経費の種類です。Create Expense Type ページで次を設定します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 勘定科目 | 経費を計上する勘定 |
| 領収書要件 | 提出時に必須か、一定額を超えたら必須か。現金・法人カード・両方のどれに適用するか |
| 税分類コード | 経費明細に既定される税分類(精算書で税項目を有効にすれば上書き可) |
| 明細化(Itemization) | Enabled・Disabled・Required(例:ホテル代を宿泊費と食事に分ける) |
| プロジェクト | Enable projects と既定のプロジェクト支出タイプ |
法人カードの明細を自動で明細化する場合は、テンプレートの Card Expense Type Mapping タブで自動明細化を有効にし、既定の明細化経費タイプ(例:Miscellaneous)を指定します。
システム・オプション
Section titled “システム・オプション”Expenses のシステム・オプション(Expenses System Options)は BU ごとの動作を決めます。公式の FAQ では、精算通貨の選択、精算書での支払方法の選択、精算書番号の接頭辞、バーコードの表示などを BU 単位で設定する例が案内されています。
ポリシーと監査ルール
Section titled “ポリシーと監査ルール”経費ポリシー
Section titled “経費ポリシー”ポリシーは宿泊・航空運賃・レンタカー・接待・食事・マイレージ・その他などの区分ごとに設定し、経費タイプに割り当てます。違反の扱いは 2 段階です。
| 許容範囲 | 動作 |
|---|---|
| 警告(Warning tolerance) | 警告を表示し、違反として記録する(提出はできる) |
| エラー(Error tolerance) | 精算書を提出できない(違反は記録されない) |
公式の例では、レンタカーの現金上限 100 ドル・警告 5%・エラー 10% の場合、105 ドルまでは何もせず、110 ドルまでは警告、110 ドル超は提出不可になります。主なポリシーは次のとおりです。
- 領収書必須(Receipt required):経費タイプごとに、領収書が必要な金額と許容範囲を設定
- 法人カード利用(Corporate card usage):経費区分ごとの現金での上限額。上限がなければ現金で任意の額を提出できる
- 換算レート(Conversion rate):BU ごとに Corporate・Spot・User のレート・タイプと許容範囲を設定。現金の経費だけが対象で、GL に精算通貨のレートがなければ適用できない
監査ルール(Audit Selection Rules)
Section titled “監査ルール(Audit Selection Rules)”監査ルールに当てはまった精算書が監査対象になります。ルールを 1 つも選ばないと、すべての精算書が自動承認されます。
| ルールの例 | 内容 |
|---|---|
| 指定額を超える精算書 | GL の日次レートで元帳通貨に換算して判定 |
| 必須の領収書を含む精算書 | 領収書が必要な明細が 1 件でもあれば対象 |
| 画像の領収書がない精算書 | 領収書画像が添付されていない |
| ポリシー違反のある精算書 | 違反が記録された精算書 |
| 監査リストの従業員 | Manage Audit List Membership の対象者 |
| キーワード | 目的・説明・加盟店名などに指定語を含む |
| 無作為抽出 | 指定した割合を抽出(100% で全件監査) |
領収書管理(Receipt Management)
Section titled “領収書管理(Receipt Management)”- 必要な領収書の種類は、原本(Original)・画像(Imaged)・両方から選びます。指定がなければ原本のみが既定です
- 領収書のルールは経費タイプ → テンプレート → 組織(Create Receipt and Notification Rule)の順に優先度が高くなります
- 通知ルールで、領収書の未提出・遅延を従業員に知らせ、精算書の支払を保留できます。領収書がそろうまで払戻しは行われません
経費精算書は承認ルールに従って上長などに回付され、監査対象の精算書は経費監査担当が確認します。承認ルールの構成方法は Implementing Expenses の How You Configure Approval Rules を参照してください。仮払金は上長 → 経費監査担当の順に承認され、監査担当が精算期限を設定します。代理入力(Delegations)向けの承認ルールも設定できます。
- カード会社と接続方法・ファイル形式・頻度を決め、明細ファイルを受け取れるようにします(American Express、Visa、MasterCard、Diners Club などの形式)
- 明細ファイルをアップロードして検証します。正しい明細は経費明細になり、誤りのある明細は法人カード管理者が修正します
- 従業員は精算書の作成時に明細を選び、業務(Business)か私用(Personal)かを区分します(既定は Business)
支払方式(Payment Due From)
Section titled “支払方式(Payment Due From)”| 方式 | カード会社への支払 | 従業員への払戻し |
|---|---|---|
| Individual Pay | 従業員が全額を支払う | 会社が業務分(カード・現金)を払い戻す |
| Company Pay | 会社が全額を支払う | 会社が業務分を払い戻し、私用分は現金の業務経費から差し引いて回収する |
| Both Pay | 会社が業務分、従業員が私用分を支払う | 会社が現金の業務経費を払い戻す |
Company Pay のカード会社への支払依頼は Create Corporate Card Issuer Payment Requests で作ります。精算書の提出・承認を待たずに実行できます。Both Pay では、承認後に業務のカード明細だけを集めたカード会社向けの精算書(番号に .1 が付く)が自動で作られます。
仮払金(Cash Advances)
Section titled “仮払金(Cash Advances)”- 従業員が申請し、上長 → 経費監査担当が承認します。BU が許可していれば支払方法を選べます
- 承認後、Payables の支払依頼として個別に支払われ(pay alone)、未精算の残高は仮払金の清算勘定(Cash Advance Clearing Account)に残ります
- 期日以降、承認済みの精算書に自動で充当されます。手動充当の設定もできます。従業員には「精算額 − 仮払金」が支払われます
Payables への連携と支払
Section titled “Payables への連携と支払”- 経費監査担当が Process Expense Reimbursement を実行します
- 払戻し対象の精算書が Payables のインターフェース表に入り、Import Payables Invoices が支払依頼を作成します。配布がなければ Expenses から作り、税分類があれば Fusion Tax が税を計算します
- エラー(会計期間がクローズ、支払方法が無効など)の精算書は Payables Rejected になり、次回の実行で再処理されます
- 作成された支払依頼は、Payables で検証するまで Never Validated です。検証後、支払プロセス要求で従業員とカード会社に支払います
払戻しの支払は通常の支払と同じく 支払プロセス要求 で行います。従業員向けの支払方法や支払グループ(Pay Groups for Expense Reports and Cash Advances)を分けておくと、従業員向けの支払日を独立して管理できます。
モバイル・AI・自動化
Section titled “モバイル・AI・自動化”- モバイル・アプリ:Oracle Fusion Expenses のモバイル・アプリで経費を入力・提出できます。管理者はスキャン機能を無効にでき、モバイルで入力した経費を法人カード明細と突き合わせることもできます
- メールの領収書:メールで受け取った領収書から経費を作成する機能を有効にできます
- Expense Assistant:Oracle Fusion Applications Digital Assistant のスキルで、チャット形式で経費の作成・修正・状況確認ができます。対応言語は英語で、SSO とワンタイム PIN で認証します。自動提出にはスケジュール済プロセス Automatically Submit Expense Reports(1 時間ごとの実行を推奨)、加盟店の情報の準備には Synchronize Financials Objects for Database Search(週 1 回以上を推奨)を使います
- Expenses Agent:領収書の処理、経費の作成・補完、法人カード明細との照合、不足情報の問い合わせ、ポリシーへの質問応答(アップロードした規程を引用して回答)、準拠した精算書の自動提出までを担う AI エージェントです。公式の導入ガイドでは、機能の有効化、BU ごとの有効化、DFF の配置と検索索引の作成、ユーザーへのロール付与、パイロット展開の順に設定します(26D 時点)
AI 機能全般は Redwood UX と AI・自動化機能 を参照してください。
実装リファレンス
Section titled “実装リファレンス”| 種類 | 名前 | 内容 |
|---|---|---|
| テーブル | EXM_EXPENSE_REPORTS、EXM_EXPENSES | 経費精算書、経費明細 |
| スケジュール済プロセス | Process Expense Reimbursement | 承認済み精算書と仮払金を Payables の支払依頼にする |
| スケジュール済プロセス | Create Corporate Card Issuer Payment Requests | Company Pay の明細をカード会社への支払依頼にする |
| スケジュール済プロセス | Automatically Submit Expense Reports | 自動提出とカード明細との照合 |
| REST | expenseAccommodationsPolicies など | 経費ポリシーの照会(26D の REST 一覧に掲載) |
落とし穴とベストプラクティス
Section titled “落とし穴とベストプラクティス”- 経費タイプは会計(勘定科目)と税の単位なので、勘定科目表と消費税区分から逆算して設計します
- 現金の経費の換算レート・ポリシーは、GL に日次レートがあることを前提にします
- Expenses Agent の導入は、公式ガイドのとおりパイロット部門から段階的に広げます
試験対策ポイント
Section titled “試験対策ポイント”- 対応試験:AP 模擬テストの「Implementing Expenses」と「Leveraging AI/ML/Mobile and Automation Features」
- テンプレートは BU 固有で共有不可、既定は 1 つで法人カードのマッピングが必要
- 警告とエラーの許容範囲の違い(記録されるのは警告だけ)
- 監査ルールが 0 件なら全件自動承認
- 法人カードの 3 方式と、Create Corporate Card Issuer Payment Requests の役割
- Process Expense Reimbursement → Import Payables Invoices → 支払依頼(Never Validated)→ 検証 → 支払
公式ドキュメント
Section titled “公式ドキュメント”- Options for Creating Expense Templates(Implementing Expenses 26D)
- Expense Types
- Options for Configuring Expense Policies
- Audit Selection Rules
- Options for Setting Up Receipt Management Rules
- Options for Deciding Who Pays the Corporate Card Issuer
- How Expense Report Payment Requests Are Processed(Using Expenses 26D)
- Cash Advances
- Overview of Expense Assistant
- Detailed Adoption Guidance: Expenses Agent
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