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会社間取引(Intercompany)

機能 何をするか 対象となる仕訳
会社間バランシング(Intercompany Balancing) 法的エンティティ間・BSV 間で貸借が合わない仕訳に、会社間債権・債務の明細を自動で追加する GL の仕訳(手入力・インポート)と SLA の仕訳(Create Accounting 時)
会社間取引(Intercompany Transactions) 提供側(Provider)が取引を作成し、受領側(Receiver)が承認する。GL へ直接転送するか、AR・AP の請求書を作る 会社間の請求・費用付替・立替
[会社間バランシング]
仕訳:借 102-旅費 10,000 / 貸 101-現金 10,000(BSV 間で不一致)
→ 転記時(SLA なら Create Accounting 時)にルールを評価
→ 借 101-会社間債権(相手 102)10,000 / 貸 102-会社間債務(相手 101)10,000 を自動追加
[会社間取引]
提供側がバッチを作成・送信 → 受領側が承認(または却下)
→ 取引タイプが「GL へ転送」なら両社の GL 仕訳を作成
→ 「請求書を作成」なら提供側に AR 請求書、受領側に AP 請求書 → SLA → GL

COA に Intercompany Segment がある場合、自動で追加された明細の相手先会社のセグメントで取引相手を識別できます。連結の消去や照合で使う情報になります。

  1. 元帳オプションで「Enable intercompany accounting」を有効にします(ルールの定義が前提)。
  2. Manage Intercompany Balancing Rules で、会社間債権勘定と会社間債務勘定のテンプレートを持つルールを定義します。債権は資産、債務は負債の勘定にすることが推奨されています。

同じルールが、会社間取引モジュールで入力した取引の会社間債権・債務勘定の生成にも使われます。

評価順 レベル 使いどころ
1 Primary Balancing Segment 特定の BSV の組合せだけ別の勘定にしたい
2 Legal Entity 法的エンティティの組合せごとに勘定を変えたい
3 Ledger 元帳ごとに勘定を変えたい
4 Chart of Accounts その COA を使う全元帳の包括ルール

COA ルールの中では、仕訳ソースとカテゴリの組合せを次の順に探します。

  1. 特定のソース+特定のカテゴリ
  2. 特定のソース+カテゴリ「Other」
  3. ソース「Other」+特定のカテゴリ
  4. ソース「Other」+カテゴリ「Other」(すべてに当てはまる包括ルール)

第 2・第 3 バランシング・セグメント

Section titled “第 2・第 3 バランシング・セグメント”

Primary Balancing Segment では一致しているが、第 2・第 3 のバランシング・セグメントで一致しない仕訳のために、元帳ごとにオプションを定義します。

  • 債権・債務の勘定テンプレート
  • 集計方法:Summary Net(法的エンティティ内の明細をまとめてからバランシング)または Detail(まとめない)。法的エンティティをまたぐ場合は常にまとめられます。

同じ法的エンティティの中に複数の BSV がある仕訳では、法的エンティティ内の最も小さい BSV を使ってバランシングします。

清算会社(Clearing Company)オプション

Section titled “清算会社(Clearing Company)オプション”

複数の会社が複数の会社と取引する「多対多」の仕訳は、どの会社とどの会社の債権債務にするかが一意に決まりません。そのために清算会社を設定します。

設定 選択肢
Clearing Company Condition 社内(intracompany)の仕訳だけ清算会社を使う/すべての多対多の仕訳で清算会社を使う/多対多の仕訳はエラーにする(既定)
Clearing Company Source 既定の清算 BSV を使う/仕訳入力時に清算 BSV を手入力する(SLA の仕訳には入力欄がないため使えない)
Clearing Company Value 既定の値を使う場合に指定する BSV

既定のままだと、多対多の仕訳が GL の転記や SLA の Create Accounting でエラーになります。

会社間取引(Intercompany Transactions)

Section titled “会社間取引(Intercompany Transactions)”
設定 内容
システム・オプション バッチ番号の採番(自動/手動)、会社間通貨、最低取引金額、換算レートタイプ、受領側の却下を許可するか、会社間カレンダーと期間タイプ、既定の取引タイプ、AR 請求書の明細を集約するか
取引タイプ(Manage Intercompany Transaction Types) GL へ直接転送するか、AR・AP の請求書を作るか。手動承認が必要か
会社間組織(Manage Intercompany Organizations) 取引の提供側・受領側。法的エンティティに紐付ける。請求書を作るなら AR・AP の BU を指定
顧客・仕入先の割当 法的エンティティごとに 1 つの顧客アカウント(タイプは Internal、主たる請求先あり)と 1 つの仕入先(主たる支払先あり)
会社間期間 会社間カレンダーを使う場合、取引タイプごとに期間をオープン/クローズする
  • システム・オプションの変更は新しい取引にだけ適用されます。
  • 会社間通貨を指定すると、すべての取引をその通貨で入力させ、為替差の発生を防げます。
  • 会社間組織の AR・AP の BU は、その組織が取引で使われる前なら修正できます。
  • ユーザーは、アクセス権を持つ会社間組織の取引だけを作成できます。組織を追加したら、管理者がアクセス権を付与します。
  1. 提供側がバッチを作成します(画面入力、またはインポート)。取引タイプを必ず選びます。
  2. 送信すると受領側に届き、受領側が承認または却下します(却下を許可しない設定も可能)。
  3. 取引タイプに従って、GL へ転送するか、AR・AP の請求書を作成します。
  4. 請求書の場合は、AR・AP 側で通常どおり会計処理(SLA)され、GL に転送されます。

会社間期間は、Sent、Error、Received のステータスの取引が残っているとクローズできません。翌期間に移してからクローズします。26C では、多層の会社間取引の自動承認(AutoApproved Multitier Intercompany Transaction)や、標準のクレジット・メモを使うバッチの取消(Intercompany Batch Reversals with Standard Credit Memos、オプトイン)が追加されています。

  1. ナビゲータ > Intercompany > Reconciliation を開き、Actions > Run で Prepare Intercompany Reconciliation Reporting Information を実行します。
  2. パラメータで提供側・受領側の元帳、法的エンティティ、会計期間を指定します。比較用の追加通貨(Additional Currency)、換算レートタイプ、換算日も指定できます。
  3. Reconciliation Period Summary で期間の債権・債務の残高と差異を確認します。
  4. 差異の金額から Summary by Source、さらに Journal Lines、仕訳の詳細へとドリルダウンし、SLA の仕訳や AR・AP の取引まで追跡します。
  • 照合の対象は、会社間バランシングで作られた債権・債務の明細と、会社間取引の提供側・受領側の明細です。
  • 第 2・第 3 バランシング・セグメントのための元帳内バランシング明細と、清算会社の明細は対象外です。
  • 追加通貨を元帳通貨と同じにしておくと、General Accounting Dashboard の Intercompany Reconciliation インフォレットにも結果が表示されます。

日本のグループ会社取引での使い方

Section titled “日本のグループ会社取引での使い方”
よくある取引 実現方法の例
同じ元帳内の会社間の費用立替・付替 通常の仕訳+会社間バランシング(債権債務を自動計上)
経営指導料・業務委託料など請求書を発行する取引 請求書を作る取引タイプの会社間取引(AR・AP 側で税を計算)
出向者人件費の付替 会社間取引(GL へ直接転送)または給与連携の仕訳で会社間バランシング
元帳が異なる会社間の配賦 元帳をまたぐ配賦(Cross-Ledger Allocations)
  • 請求書の発行や消費税の計算が必要な取引は、AR・AP の請求書を作る取引タイプにして、税の計算を AR・AP に任せる設計が考えられます。日本の税要件への対応範囲は 税(Fusion Tax) で確認してください。
  • 国内グループで通貨が同じなら、会社間通貨を JPY にして為替差を避けます。
  • 連結決算の内部取引消去のために、相手先会社のセグメントを必ず持たせ、毎月の照合を決算の早い段階(例:3 営業日目)に置きます。連結処理そのものは EPM の FCC で行う構成が一般的です。
  1. 元帳オプションで Enable intercompany accounting を有効にします。
  2. Manage Intercompany Balancing Rules で、COA レベルの包括ルール(ソース・カテゴリ「Other」)と、必要な個別ルールを定義します。
  3. 清算会社オプションと、第 2・第 3 バランシング・セグメントのオプションを設定します。
  4. 会社間取引を使う場合は、システム・オプション、取引タイプ、会社間組織、顧客・仕入先の割当、(必要なら)会社間期間を設定します。
  5. ユーザーに会社間組織へのアクセス権を付与します。
  6. 多対多の仕訳、清算会社、却下、期間クローズを含むシナリオでテストします。
相手先別の会社間債権・債務の期末残高を並べる(例)
SELECT gcc.segment1 AS company, -- 例:会社セグメント
gcc.segment5 AS partner, -- 例:相手先会社セグメント(Intercompany Segment)
gcc.segment3 AS account, -- 例:勘定科目セグメント
SUM(NVL(gb.begin_balance_dr, 0) - NVL(gb.begin_balance_cr, 0)
+ NVL(gb.period_net_dr, 0) - NVL(gb.period_net_cr, 0)) AS end_balance
FROM gl_balances gb
JOIN gl_code_combinations gcc ON gcc.code_combination_id = gb.code_combination_id
WHERE gb.ledger_id = :P_LEDGER_ID
AND gb.period_name = :P_PERIOD_NAME
AND gb.actual_flag = 'A'
AND gb.currency_code = :P_LEDGER_CURRENCY
AND gcc.segment3 IN ('115100', '215100') -- 例:会社間債権・会社間債務
GROUP BY gcc.segment1, gcc.segment5, gcc.segment3
ORDER BY gcc.segment1, gcc.segment5

「101 の対 102 債権」と「102 の対 101 債務」が一致するかを見る簡易チェックです。正式な照合は標準の照合レポートで行います。会社間取引のデータは FUN_ で始まるテーブル(例:FUN_TRX_BATCHES、FUN_TRX_HEADERS)にあります。列定義は Tables and Views for Financials で確認してください。

落とし穴とベストプラクティス

Section titled “落とし穴とベストプラクティス”
  • まず COA レベルの包括ルールを 1 本作り、例外だけを上位レベルのルールで追加します。
  • 会社間勘定は「債権=資産、債務=負債」に分け、相手先セグメントで取引先を識別できるようにします。
  • 受領側が却下できない運用にするなら、Allow Receiver to Reject Transaction を No にし、事前合意のプロセスを決めておきます。
  • 対応分野:GL 模擬テスト の「Processing Intercompany」
  • ルールの評価順(Primary Balancing Segment → Legal Entity → Ledger → Chart of Accounts)と、COA ルール内のソース・カテゴリの評価順
  • 清算会社の 3 つの条件と既定(エラー)、手入力の清算 BSV は SLA の仕訳では使えないこと
  • Summary Net と Detail の違い
  • 取引タイプで決まること(GL へ直接か請求書か、手動承認の要否)、会社間組織と法的エンティティの関係、顧客(Internal)と仕入先の割当
  • 照合プロセスの名前とレポートの階層(Period Summary → Summary by Source → Journal Lines)

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